今年も残りわずか、日本の皆さんは新年を迎える準備にあわただしい頃ですね。中国では「春節」と呼ばれる旧暦の正月に新年を祝います。来年の春節は2月10日。その準備が、そろそろ始まる頃です。
今回の中国メロディーは蛇年にちなんで、蛇をテーマにした、中国各地の音楽と民話を紹介しました。番組の中で紹介したのは「金蛇狂舞(金の蛇が舞い踊る)」、「千年等一回(千年の愛)」、「流光飛舞(光陰)」、「新春楽(新春の喜び)」4曲でした。
中国では蛇に係わる伝説と言えば、一番有名なのは「白蛇伝(はくじゃでん)』ですね。「白蛇伝」は中国の民間に伝わる物語で、かなり古くから小説や地方劇などの題材とされてきました。1960年代からこの伝説を基にした映画とテレビドラマが非常に人気を博しました。また、1958年日本初のカラー長編アニメ映画『白蛇伝』もこの説話を題材としています。では、この伝説のストーリーを紹介します。
今から1000年前の宋の時代、四川省峨眉山に住む白蛇の精・白娘子は、お供の青い蛇・青蛇と共に、人間のお嬢様と下女に変身して杭州の西湖に観光に来ました。白娘子はその風光明媚な景色と人間の暮らしに魅力を感じて山に戻る気がしなくなってしまいます。そこで白娘子は書生の許仙と出会い、彼と相思相愛の仲に。やがて二人は夫婦となって幸せに暮らし始めますが、金山寺の和尚・法海は白娘子の正体が人間ではないことを見抜き、彼女を雷峰塔の下へ閉じ込めてしまいます。
1曲目 金蛇狂舞(金の蛇が舞い踊る)
中国では金の蛇とは龍のことで、お祭りで龍舞や獅子舞などが披露される賑やかな様子を表現した曲です。この曲は中国の国歌「義勇軍進行曲(行進曲)」を作曲した聶耳の作品です。
聶耳は中国の有名な作曲家。1912年に生れ、幼いころから音楽に興味を持ち、民間音楽家から笛、胡琴、三弦、月琴などの民族楽器を習いました。1927年に雲南省第一師範大学に進学し、様々な音楽や戯劇などの活動によく参加し、革命の荒れた時代に青春時代を過ごしました。1933年は、聶耳にとって『豊作の一年』で、『卒業歌』、『新女性』、『前進歌』、『金の蛇が舞い踊る』、など多くの音楽作品を創作しました。
その2年後の1935年、日本を訪れ、藤沢市の海岸で水泳をしていた時、水難に遭って短い生涯を閉じました。享年わずか23歳でした。では、聶耳が作った「金蛇狂舞(金の蛇が舞い踊る)」をお楽しみください。この曲は2008年の北京オリンピック開会式で、中国選手団が入場した時に演奏された曲です。
2曲目 千年等一回(千年の愛)
この曲は「白蛇伝」という伝説を元にした連続ドラマ「新白娘子伝奇」のテーマソング「千年等一回(千年の愛)」です。
歌詞は
千年の先に貴方を待つ
私は後悔しない
誰が私に言ったのか?
私を永遠に愛すると。
西湖の水は私の涙、
貴方と一緒に燃え続けよう
3曲目 「流光飛舞(光陰)」
この曲は『白蛇伝』を基にした香港映画「青蛇転生」のテーマソングです。この歌は私も大好きな一曲です。映画は1993年に撮影したもので、音楽と映像の素晴らしいハーモニーに、うっとりした記憶があります。ジョイ・ウォンが白蛇の役、張曼玉(マギー・チャン)が青蛇の役を演じました。美しい2人の女優、山水画に似た夢のような景色も印象的でした。特に映画のテーマソングが評判になりました。
歌詞は
月日の経つさまはあたかも水の流れのよう
ほろ酔いの私は雲の中の雪のよう
紅葉が秋風に飛び舞う
人生は短く夢を見ているよう
4曲目 新春楽(新春の喜び)
この曲は、胡琴演奏家・馬光陸さんが河南省の地方劇を元に創作した「新春楽(新春の喜び)」です。曲の中では、中国の伝統弦楽器・板胡が、軽快で明るいメロディーで河南省の人々の春を迎える楽しい雰囲気を表現しています。
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