11月に入り、北京は強い寒波による影響で、2週間連続して週末に雨と雪に見舞われ、気温は平年の同じ時期よりかなり低くなりました。このため、北京市の公共暖房は例年より2週間早く始まりました。気候はこれからますます寒くなりますが、国内外からの芸術家の素晴らしいパフォーマンスが、北京の冬の舞台を活気に溢れさせます。中でも、中国の民族音楽好きな人々にとっては毎年年末に中国放送楽団が行う新年を迎える公演は最も期待するイベントです。
中国放送民族楽団は中国の有名な民族楽団で、元中央放送民族楽団と元中国映画民族楽団が合併して作られたものです。楽団の100人近くのメンバーはいずれも一流の演奏家で、その素晴らしい演奏レベルは音楽界で高く評価されています。特に、元中央放送楽団の指揮者・彭修文氏や元中国映画民族楽団の演奏家・劉明源氏らは中国民族音楽界において大きな影響力を持つ人たちです。
中国放送民族楽団は中国トップレベルの民族楽団として、音楽界で高く評価されています。2000年、2001年にはオーストリアのウィーンにあるゴールデン・ホール(ウィーン学友協会ホール)で、中国民族音楽会を成功させています。その後、アメリカやヨーロッパなど多くの国を訪問し、各地で喝采を浴びました。
民族音楽の巨匠と呼ばれる彭修文氏は中国放送民族楽団の首席指揮者で、楽団の創始者でもあります。彭修文氏は幼い頃から二胡、琵琶など民族楽器を習得し、1952年、中央放送民族楽団に入り、翌年、楽団の指揮者に就任しました。彼の指揮の下で、楽団は協調性、正確性と技巧などの面で高いレベルに達し、中国最優秀の民族管弦楽団になりました。1957年、モスクワ第6回世界フェスティバルの芸術部門で、民族楽団が自らアレンジした「春江花月夜(春の川、花月夜)」、「喜豊作(豊作に喜ぶ)」の演奏を指揮し、金賞を獲得しました。これらの曲も中国民族管弦楽の名曲となりました。
1996年に彭修文氏が病死した後、中国指揮界の俊英・彭家鵬さんが中国放送民族楽団の首席指揮者になりました。彭家鵬さんが率いる中国放送民族楽団は二胡などの中国民族楽器とバイオリンなど西洋楽器の混声楽団として中国一の実力を誇ります。
さて、今回の中国メロディーは中国の有名な民族楽器オーケストラ・中国放送民族楽団が演奏した民族音楽をご紹介いたします。番組の中でご紹介したのは「将軍令(凱旋する軍隊)」、「(瑶族舞曲(ヤオ族舞曲)」、「喜豊作(豊作に喜ぶ)」、「飛歌(飛ぶ歌)」4曲でした。
1曲目 将軍令(凱旋する軍隊)
この曲は、故人となった楽団の指揮者兼作曲家、彭修文氏が同じタイトルの古典音楽を元にアレンジしたものです。曲は凱旋する軍隊の雄雄しく高らかな様子をいきいきと表現しています。また、香港の有名な俳優・ジャッキーチェンの出世作「酔拳」というカンフー映画の中で、この曲も拳法の演舞をするBGMとして流れます。
2曲目 瑶族舞曲(ヤオ族舞曲)
この曲は1952年、作曲家・劉鉄山さんと茅沅さんがヤォ族の伝統音楽から着想を得て作曲したもので、最初、西洋楽器による管弦楽曲として演奏されましたが、1954年に彭修文氏によって中国民族管弦楽曲に編曲され、広く演奏されました。この曲はヤォ族の人々が祝日に歌ったり踊ったりする楽しい場面を描きました。
3曲目 喜豊収(豊作に喜ぶ)
この曲は彭修文氏によって指揮されたもので、中国北方地方の農民たちが豊作を祝う喜びを表しました。
4曲目 飛歌(飛ぶ歌)
この曲は中国西南地方に伝わる伝統音楽を元にアレンジしたもので、少数民族の人々が祝日を祝う楽しい雰囲気を描きました。また、有名な笛の演奏家・唐俊喬さんの絶妙なテクニックが印象的です。
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