チベット族は昔から中国西南部チベット高原で暮らしてきました。チベット族の伝統的な祝日は非常に多く、チベット族のお正月や、豊作を祝う望果節など様々ですが、どの祝日でも変わらないのはハダカムギ酒を飲むことと唄うことです。
ハダカムギは、チベット高原などで採れるムギの一種で、ハダカムギを原料にして醸造したお酒はチベット族の老若男女の間で大変好まれているアルコール度数の低いお酒です。お酒の味は少し甘めで、栄養価が高く、妊婦に必要な栄養を補い、特に、お年寄りがこのお酒を飲むと、寿命を延ばす働きもあるとされています。
チベット族では、祝日にお酒を飲む時に、まず、長老や有識者にハダカムギ酒を捧げ、そして両手で杯を頭の上に捧げなければ成りません。また、ハダカムギ酒を飲む時には「三口一杯」という風習があります。まず一口飲み、再度その盃いっぱいに酒を注ぎ、また飲むという行為を3回繰り返し最後に乾杯します。
チベット族のお酒の唄は非常に豊富で、チベットの人々は酒の歌を通じて愛情や友情、豊作や暮らしへの感謝を表します。ここ数年、ポップス音楽でもお酒の唄が唄われるようになりました。
1曲目 吉祥的青稞酒(縁起がいいハダカムギ酒)」
歌は軽快でリズム感のあるメロディーでチベット族の情熱あふれる豪快な民族性をよく表しています。
歌詞は
花盛りの草原に
牛の群れが、こぼれ落ちた真珠のよう
ナジュ山の山坂に
羊の群れが白い雲のよう
広々と広がる草原に
駿馬が思い切り走っている
2曲目 康巴酒歌(康巴酒歌)
康巴はチベット高原東部の四川省甘孜州、阿埧州などの一部の集落です。そこに住む康巴人は明るくさっぱりした性格と多彩な民族文化で知られています。このチベット語で歌ったお酒の歌はチベット族の人々の自然への賛美と親しい友人への祝福を表しています。
歌詞には・・・・・・
夏の青々とした草原にゴーサンという花が咲いている。
縁起のいい酒を高く挙げて両親に捧げる。
旨い酒を親しい友人に捧げる。
ハダカムギ酒は一番旨く、
兄弟の情は一番深い。
3曲目 「高唱酒歌(お酒の唄を唄おう)」
この歌は有名な民謡歌手・胡松華さんがチベット族の民謡を元に自ら創作して、歌ったもので、その素朴で美しい旋律と胡松華さんの高く響き渡る歌声は多くの人々に親しまれ、20世紀の中国民謡の名曲と讃えられました。
4曲目 「美酒敬朋友(友に美酒を捧げる)」
この歌はうまい酒への賛美を通じてチベット族の人々の明るくサッパリした性格と情熱を表現しました。歌詞には「甘美な酒を万能の神に、五穀で作った芳醇な酒を両親に、めでたい美酒を尊敬すべき友に捧げる」と歌われています。
この番組へのご意見・ご感想などがございましたら、ぜひお聞かせください。
宛先
〒100040 中国国際放送局日本語部「中国メロディー」係
メール nihao2180@cri.com.cn
| ||||
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |