9月22日は24節気の一つ・秋分です。中国では北方地方でも南方地方でもこの時期は種まきや田植えなどで、農家が忙しくなる頃です。南方地方には「秋分の日に白い雲が浮かび、あちこちに歌が響き渡り、稲の苗畑がきれいに広がる」という諺があります。一方、中国北方の内蒙古草原ではこの牧畜業の閑散期に盛大なナダム祭りを行います。「ナダム」とは蒙古語で「遊ぶ」という意味です。期間中はモンゴル相撲や競馬、それにアーチェリーなどが行われます。
さて、今回の中国メロディーは引き続き蒙古族の伝統音楽をご紹介します。番組の中でご紹介したのは、「蒙古人(私は蒙古人)」、「长鬃贵马(長いたてがみを持つ駿馬)」、「ノエンジア」、「(美麗草原我的家(美しい草原、我が家)」の4曲でした。
1曲目 「蒙古人(私は蒙古人)」
この歌は、蒙古族の実力派歌手・テンゲルが唄ったものです。
テンゲルは蒙古族を代表するベテラン歌手で、民謡も、ポップスも、ロックも自在に歌いこなし、「草原の唄の王」と呼ばれています。「私は蒙古人」という歌は彼の代表曲で、曲はテンゲルが有名な蒙古族詩人・キキムドの詩を元に自ら作曲したものです。故郷を離れた蒙古族の人々の、故郷に寄せる思いが胸に迫ります。テンゲルの抑揚のある歌声、心に響く詞の世界が蒙古族音楽の独特な魅力を生き生きと表現します。
歌詞は
アリガリの煙立ちのぼる
牧民の家に生まれた私
故郷の草原を
揺りかごだと思う
この人こそモンゴル人
故郷の愛する人よ
生まれ落ちたこの大地を
自分の身体のように愛しく思い
産湯にした清らかな川を
母の乳のように懐かしく思う
2曲目 长鬃贵马(長いたてがみを持つ馬)
蒙古族の人々は昔から馬に特殊な感情を持ち、馬を最も神聖な動物としてきました。この「长鬃贵马(長い鬣を持つ駿馬)という民謡はお客好きな蒙古族の人々が遠方からお客を迎える時に、敬意を表してうたうものです。歌は馬に乗ってきたお客さんが財を招いて富貴を呼び込むことを讃えます。その歌声を聞くと、見渡す限りの草原を疾走する馬の姿や、空を悠々と飛ぶ鷹などが目の前に浮かんできますね。
歌詞は
長い金色のたてがみを持つ馬、
美しい雲に乗ってやってきた。
遠方からお客さん、親しい友人、
私たちはくつろいで大いに飲みましょう。
3曲目 ノエンジア
この歌は蒙古族の民謡です。ノエンジアは、ある蒙古族娘の名前です。彼女は遠い国に嫁ぎ、二度とふるさとに帰ってこられなかったのです。曲の緩やかで美しいメロディーは蒙古族の人々がふるさとを偲ぶ気持ちを歌っています。
歌詞は
海河の水が長く流れ
美しい娘ノエンジアは遠い国に嫁ぐ
故郷を離れる旅路は遠く長い。
優しい娘ノエンジアは遠方を眺め、
家を思って涙を流す。
4曲目 美丽草原我的家
この曲はは日本でも有名なモーコ族の民族楽器・馬頭琴が奏でたものです。
曲は同じタイトルの民謡を基にアレンジしたものです。アレンジ後は、古筝や笛、ショウ、ピアノなどの伴奏と共に、馬頭琴が青い空や白い羊の群れ、緑の草原を生き生きと表現しています。
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