8月中旬、新疆は一年中で最も美しい季節を迎えました。新疆天山山脈西部にあるカザフ草原では野花が満開になり、白い雲の下、牛や羊がのんびりと草を食み、近くの雪山が陽光を受けて、真っ白に光ります。年に一度のカザフ族の歌唱祭・アイドスがこの時期に開催されました。ここでは青空が背景、広々とした草原が舞台です。草原各地に住む、カザフ族の歌手・アケンがここで歌を競い、1万人余りの牧畜民がアケン達の素晴らしいパフォーマンスを楽しんでいました。
実はカザフ族では「アケン」は歌だけではなく語りなども行う詩人を意味します。年に一度の歌唱祭「アイドス」はアケンが即興で歌の腕前と知恵を競う大会です。ここで、一番素晴らしい歌と知恵を披露したアケンにみんなは尊敬の念を抱きます。
カザフ族は中国西北部の新疆ウィグル自治区に暮らす少数民族です。何代にもわたり遊牧生活を送ってきました。こんな遊牧生活の影響を受けているカザフ族の民謡は、朗らかで感情豊か、そして民族楽器のドンブラの伴奏の下、草原の息吹に溢れています。
今回の中国メロディーはこのカザフ族の音楽を特集します。番組の中でご紹介したのは 「瑪依拉(マイラ)」、「白い駱駝(白駱駝)」「古音(古の音楽)」「燕子(つばめ)」の4曲です。また、カザフ族の独特な喉歌・コーミーもご紹介しました。
コーミーは独特な発声方法で声帯を振動させて、不思議な音色を作ります。昔から、新疆の草原で暮らしていた遊牧民の部族は、チュルク語の部族でも、モンゴル語の部族でも、コーミーで英雄への賛美や自然への崇拝を表す習慣がありました。その後の数百年間で部落の戦争や婚姻などを通じて、カザフ族が形成され、この独特な喉歌もカザフ族の歌として伝えられるようになりました。
新疆アルタイ市歌舞団の若い歌手・サイドさんは仲間たちと先輩たちからコーミーを学び続け、この古い喉歌を舞台で披露しています。
コーミーの特徴についてサイドさんは「コーミーの発声法は1人で同時にヘ音、ハ音、ト音と呼子の音など四つの音を出すものだ。ヘ音では歌詞を歌い、ト音では大自然の音を模倣する」と紹介しました。
1曲目 瑪依拉(マイラ)
この歌はカザフ族の民謡です。マイラは、美しく歌が上手いカザフ族の娘です。軽快で朗らかなメロディーはマイラの明るく可愛い性格を生き生きと表現しています。
2曲目 白駱駝(白い駱駝)(ドンブラの曲)
ドンブラは弦が2本のカザフ族の伝統的な弦楽器です。カザフ族の家族は、老若男女を問わず、みんなドンブラの演奏が上手です。毎年、カザフ族の人々は盛大なドンブラ祭りを行います。
ドンブラの澄んだ快い音色と軽快なリズムは、カザフ族の伝統音楽の代表となりました。この「白駱駝(白い駱駝)」というドンブラの曲を聞くと、一頭の可愛い白い駱駝が砂漠で軽快なリズムに合わせて、楽しく踊る姿が目に浮かぶようですね。
3曲目 古音(古の音楽)
カザフ族の歌手・サイドさんがコーミーで唄った「古音(古の音楽)」という歌はカザフ族の古い諺を語ります。「貴重な宝は海の底に、格言は人々の頭にある。頭も尻尾もない馬はいかに生きるか。兵器を持たない勇士はどうして敵を打ち負かすことができるか。人々は荒涼たる砂漠の中でいかに暮らすか、私達の心は花の咲いた草原に憧れる」
4曲目 燕子(ツバメ)
この歌は中国民謡界の代表的な歌手・彭麗媛が歌ったものです。この歌では彭麗媛さんの素晴らしい表現力が充分に示されています。彼女のまるで鳥のように空に響き渡る歌声は、遠方にいる恋人を思い、恋焦がれる女性の気持ちを巧みに表現しています。
歌詞は
ツバメよ、
あなたに私が好きなツバメの歌を歌いたい。
あなたの性格は活発で明るい。
あなたの微笑みは星のように輝く。
ツバメよ
あなたの約束を忘れるな
「あなたは私の恋人、私はあなたの恋人」
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