8月23日は旧暦の7月7日で、七夕祭りです。中国の伝説では、日本の彦星と織姫にあたる牽牛星と織女星がこの日に天の河を渡って出逢うという物語があります。私の子供時代、七夕祭りはまだ盛んではありませんでしたが、七夕の夜、天の川を仰ぎながら、その古の恋物語を聞いてとても感動しました。最近では、多くの百貨店、宝石店それにブランド品の生産企業が七夕を中国のバレンタインデェーでとして様々な宣伝活動を行っています。天の川の二人も、地上の人たちの商魂のたくましさにちょっと、びっくりしているかもしれませんね。それにしても、真摯な愛情への憧れは万国共通のものですね。さて、今回の中国メロディーは七夕にちなんで中国各地の恋の歌をご紹介しましょう。番組の中でご紹介したのは 「康定情歌(康定情歌)」「達坂城的姑娘(ダバン城の娘)」、「阿拉木汗(アラムハーン)」、「都達爾和馬麗亜(ドタルとマリア)」の4曲でした。
1曲目 康定情歌(康定情歌)
この歌は四川省のラブソングで、中国人が誰でも知っている懐かしいメロディーです。康定は中国四川省跑馬山麓にある古い街です。康定は昔からチベット族と漢民族が共に居住する地域で、2つの民族の歌が融合した歌曲が多くあります。歌詞に繰り返し出てくる「留留」は、恋を歌った民謡でよく使われる調子を整えるチベット族の言葉です。このような恋歌は地元では「溜溜の調べ」と呼ばれます。
風光明媚な康定の情景と1組の男女の恋をシンプルに歌い上げたこの「康定情歌」は1940年代に中国全土に知られる人気曲となり、多くの人に親しまれてきました。1990年初頭、世界の民間歌謡10曲に選ばれ、アメリカの宇宙衛星から世界に放送されたこともあります。
歌詞は:
お馬でお山を 行けば
お山に 雲がかかる
雲の上に見える 康定の町が見える
月が出たよ 月が康定の町に出たよ
李姉さんは器量がよい
張兄さんは彼女が好きよ。
月が出たよ
月が康定の町に出たよ
2曲目 達坂城的姑娘 (ダバン城の娘)
この歌は有名な作曲家・王洛賓が新疆ウィグル自治区の民謡を基に作ったものです。王洛賓さんは1937年に初めて中国西北部を訪れた際に、地元の独特で多様な民族音楽に魅了され、その後、新疆ウィグル自治区のウルムチ市に定住しました。王洛賓は西北部民謡をベースに1000曲近い作品を作り、今でも多くの歌が人々に愛され、歌い継がれています。中国人のいるところ、必ず王洛賓の歌が聞こえると言われるほどです。この「達坂城的姑娘(ダバン城の娘)」という歌は中国では、誰もが知る名曲です。
歌詞は
達坂城の石畳(いしだたみ)は硬くなめらか
スイカは大きく甘い
そこに住む少女のお下げ髪は長く
二つの目は本当にきれいだ
結婚したいと思っても、他の人と結婚しちゃダメだよ
きっと僕と結婚するんだ百万の財産を持って、君の妹も連れて、
あの馬車をはしらせて来るんだよ
3曲目 阿拉木汗 (アラムハーン)
この歌はウィグル族のラブソングです。ウィグル族の人々は昔から、中国西北部の新疆ウィグル自治区に居住し、中央アジア地域の影響を受けてきました。ウィグル族の人々のほとんどは、イスラム教を信仰しています。その音楽も、中東地域のアラブ音楽の影響を受けています。「阿拉木汗(アラムハーン)」という歌にはウィグル族の人々の自由奔放な性格がよく表現されています。アラムハーンとは少女の名前で、歌は軽快なリズムとユーモアあふれる歌詞でアラムハーンに恋焦がれる若者の気持ちを生き生きと描きました。
歌詞は
アラムハーンはどんな娘?
太ってもいない、痩せてもいない
眉は三日月のよう、
腰は細い柳のよう、
小さな口はかわいらしく、
その目を見ると身震いするようだ
アラムハーンはどこに住むのか?
トルファンの西360里
あの子のために夜中も眠れず、
あの子のために昼間はいつも咳払い、
あの子のために風雪もいとわず、
あの子のために靴底はいつもすり減っている
4曲目 都達爾和馬麗亜 (ドタルとマリア)
この歌はカザフ族のラブソングです。
歌詞は
勇ましい青年イワン・ドタル
今夜、私の家に来て
月が上る時、木の下で
あなたと私 ドンブラで心の唄を唄いましょう
歌詞の最後に出てきたドンブラはカザフ族の伝統楽器のことです。
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〒100040 中国国際放送局日本語部「中国メロディー」係
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