新疆少数民族の伝統楽器で奏でた音楽
ナビゲーター 黄競
5月の北京は美しい花をたくさん見ることができ、特に、様々な種類や色のバラが次々と咲き、まさに「百花繚乱」です。でも、花粉症で悩んでいる人たちは美しい花を見ても、素直に喜べないかもしれません。
ここ数年、大気汚染や環境汚染などの影響を受けて、北京や上海などの大都会では花粉症や鬱病にかかる人がますます多くなっています。そこで、チベットの雄大な雪山や神秘なシャングリラ、それに少数民族の特色に富んだ新疆ウィグル自治区にはますます多くの人が都会からやってきて、正に理想郷となっているのです。
新疆ウィグル自治区というと、多くの人がその多彩な少数民族音楽と美味しいイスラム料理を思い浮かべるでしょう。残念ながら、番組の中で、皆さんに新疆料理をお出しする事はできませんが、代わりに、今日は少数民族の楽器で奏でた音楽をお楽しみ頂きたいと思います。
まず、ドンブラです。ドンブラはカザフ族の伝統的な弦楽器で、紀元前3世紀から新疆地区で伝えられてきました。カザフ語ではドンブラの「ドン」は楽器を奏でる時に出る音を表し、「ブラ」は弦楽器の調子を合わせるという意味です。カザフ族の家族は、老若男女を問わず、みんなドンブラの演奏が堪能です。ドンブラの澄んだ快い音色と軽快なリズムはカザフ族の伝統音楽の代表となりました。
次はエジェクです。エジェクは新疆ウィグルク自治区で広く伝えられている伝統楽器です。発祥は古代ペルシアで、シルクロードを通って伝来しました。今でも、新疆のウイグル族やウズベク族、タジク族の伝統音楽の演奏の中でよく使われる弦楽器です。
そしてレワープです。レワープは14世紀に中央アジア地域で生まれた弾奏楽器で、その後、中国の新疆ウイグル自治区に伝えられました。今ではウイグル族・ウズベク族・タジク族など多くの民族に愛されています。レワープは600年の歴史を持つ古い楽器ですが、数百年にわたる発展によって、その音楽的表現力はますます豊かになり、独奏や合奏のほか、伴奏にもよく使われています。また、新疆の多くの民族に愛されるレワープは地域や民族によってその種類と形も異なります。例えば、カシュレワープやトゥランレワープ、それに牧畜民レワープなどです。
最後は木管チャルメラです。木管チャルメラは新疆で最も広く使われている管楽器で、およそ3世紀に古代ペルシアから中国の新疆ウィル自治区に伝えられました。普通、長さ40センチで、呼び子、気盤、芯(しん)、管体、ラッパ口からなっています。構造は簡単ですが、すべての管楽器のテクニックが演奏でき、更に、人間の歌声や鳥のさえずりなどを真似ることもできます。また、その音色は高く、華やかで、 楽しい雰囲気をかもし出すので、結婚式のおめでたい日や祝日のたびによく使われています。
番組の中でご紹介した4曲
一曲目 「白駱駝(白い駱駝)」(ドンブラ)
この曲はドンブラの豊富な表現力で駱駝が砂漠で自由自在に歩く様子を生き生きと表現しました。一頭の可愛い白い駱駝が砂漠で軽快なリズムに合わせて、自由に楽しく踊る姿がいきいきと浮かぶようです。
二曲目「新疆之春(新疆の春)」(エジェク)
「新疆の春」と言う曲はバイオリン曲を元にアレンジしたエジェクの独奏曲で、リズムの変化を通じて新疆ウィグル自治区の美しい景色を描き、人々が故郷の春を讃える気持ちを表しました。新疆少数民族音楽の特色溢れるこの曲は新疆少数民族の人々の自由奔放な性格を生き生きと現しています。
三曲目「我的熱瓦甫(私のレワープ)」(レワープ)
この曲はカシュ地区で広く伝えられているカシュレワープで奏でたもので、新疆各民族の人々がレワープを愛する気持ちを表しています。この曲は1980年代に収録したものですが、当時の録音機材はあまり精密ではありませんでしたので音響効果はよくありませんが、プロ奏者の絶妙な演奏には感動します。
四曲目「歓楽的時代(楽しい時代)」(木管チャルメラ)
この曲は、木管チャルメラの独特で高らかな明るい音色で新疆の人々が祝日に楽しく歌ったり踊ったりする 場面を描いています。
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