4月中旬、北京は一年の中で最も美しいシーズを迎えました。木蓮や迎春花、桜などの見ごろが終わり、現在は桃や海棠、ライラックなど様々な花が一斉に開花し、新緑も加わって例年以上に華やかな春を迎えています。
私は花は好きですが実は花粉症なので、この美しい季節に思いきり花を楽しむことができません。ちょっと残念ですね。でも、家で好きな音楽を楽しむことも人生の楽しみですね。
さて、今回の中国メロディーは蒙古族の伝統楽器・馬頭琴で奏でた音楽を特集しました。蒙古族は昔から中国北方地方の蒙古草原に暮らし、長い歴史を持っています。馬頭琴は蒙古族の人々が大好きな民族楽器で、弦は、馬の尾の毛で作られ、頭部には馬の頭が彫刻されいるのでその名前が付けられています。馬頭琴の物悲しい音色は儚げで美しく、芸術的表現力が優れていることから誕生以来蒙古族の人々に喜ばれ、広く伝えられてきました。
馬頭琴は蒙古族を代表する伝統的な弦楽器です。昔、馬頭琴はほとんどが馬頭琴演奏者の手作りで、音量が小さく、パオや室内でしか演奏できませんでした。その後、時代の流れに伴い、伝統的な馬頭琴は改造され、音量と音域も拡大し、舞台公演でも充分に音を出せるようになりました。現代の改造された馬頭琴の形は蒙古族の伝統芸術の特色を保ち、"さお"と呼ばれるネックの上部に馬の頭の彫刻が施されているほか、共鳴箱にも蒙古族の伝統的な図案が彫刻され、とても美しい工芸品のようです。
ここ数年、馬頭琴は伝統的な弦楽器としてますます世界各国の人々に喜ばれるようになりました。中国国内では内蒙古自治区馬頭琴学会や中国馬頭琴学会が相次いで設立され、また日本でも国際馬頭琴学会が設立されました。そして国際馬頭琴フェスティバルや国際馬頭琴コンクールなどが毎年、世界各地で行われてます。
番組の中でご紹介したのは「天鹅(白鳥)」、「母親(母)」、「(美麗草原我的家(美しい草原、我が家)」の三曲でした。
1曲目 「天鵝(白鳥)」(馬頭琴)
曲の冒頭部分で白鳥の鳴き声を聞かせ、ピアノやバイオリンが悲しげで美しい旋律を奏でます。その後、馬頭琴の優しく美しい音色が大空で自由に舞う白鳥を生き生きと描いています。この曲は蒙古族の人々の純粋な愛情への憧れを白鳥を通じて表しました。
2曲目「母親(母)」(馬頭琴)
感動の一曲ですね。曲は母親を恋しく思う気持ちを表しています。曲の低く響き渡る旋律は、まるで遠方から聞こえる母の優しい歌声のようです。曲から母親への愛情をしみじみと感じられますね。たぶん母親への愛は民族と国境を越えた人類共通の愛情でしょう。
3曲目「美麗草原我的家(美しい草原、我が家)」(馬頭琴)
曲は同じタイトルの民謡を基にアレンジしたものです。アレンジ後は、古筝や笛、ショウ、ピアノなどの伴奏と共に、馬頭琴が青い空や白い羊の群れ、緑の草原を生き生きと表現しています。
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