2月下旬に入り、北京の気温はだんだん暖かくなってきて、昼間の最高気温は9度まで上がるようになりました。でも一カ月連続で雨や雪が降らないので、最近、とても乾燥しています。こういった天候が続くと、呼吸道の病気が広がる恐れがあるそうです。
一方、中国の南方地方、特に、中国西南部の貴州省などの地域は低温と長雨が続いているため、地元の春の耕作も影響を受けているそうです。こうした異常な天候は早く終わってほしいと思いますね。春の耕作は農家にとって非常に大事です。中国には「春の耕作が忙しくないならば、収穫後に腹を減らす」と言うことわざがあります。
さて、毎年旧暦の2月から3月にかけて、中国西南部の少数民族は様々な祝賀イベントを行ないます。例えば、ミャオ族の「翻鼓祭」、ナシ族の「三朶祭」、イー族の「挿花祭」などはいずれも、地元の大切な祝日です。
今回の中国メロディーは中国西南部の少数民族がイベントを祝う時の音楽と民謡を特集しました。番組の中に紹介したのは、ミャオ族の音楽「飛歌」、ナシ族の音楽「阿哩哩」、ムーラオ族の民謡「随口答(自由に答える)」でした。
一曲目「飛歌」
飛歌はミャオ族で広く伝えられている民謡の形式の一つですが、なぜ、「飛歌」と言われているんでしょうか?昔、山間部に暮らしていたミャオ族の人々は交通が不便だったので簡単に移動することができませんでした。そうした事情から、こちらの山に住んでいる人が向こうの山に住んでいる人と挨拶する時に、高い声で歌うという形式をとっていました。その習慣が長く続くうちに、「飛歌」は独特な民謡の形式となったのです。高らかな旋律でよく響き、とても迫力があり、ミャオ族のお正月やドラゴンボートレースなどの祝賀イベントでよく歌われます。この「飛歌」は、私が大好きな音楽家・何占豪さんが創作した作品で、お勧めの一曲です。曲の冒頭部分は高く澄んだ笛の音色が人々をミャオ族の静かな村へと誘います。曲の中で芦笙などの民族楽器がシンセサイザーとうまくミックスしていて、ミャオ族音楽の独特な魅力が充分に表現されています。
二曲目 「阿哩哩」
続いては雲南省ナシ族の音楽を元にアレンジした「阿哩哩」です。
毎年旧暦の2月8日はナシ族の伝統的な祝日「三朶節」です。この日になりますと、ナシ族の人々は綺麗な民族衣装を纏い、輪になって「阿哩哩」という舞踊を踊ります。「阿哩哩」はナシ族の伝統舞踊の一つで、一般的には1人がリードを取り、他の人がそれに呼応し、みんなが歌いながら踊ります。「阿哩哩」のメロディーは決まっていますが、その歌詞の内容は即興で創作されるのです。
曲の中の強いリズム感ある音楽はナシ族の人々が祝日に楽しく歌ったり踊ったりする場面を描いています。
三曲目 随口答(自由に答える)
「随口答(自由に答える)」はムーラオ族の民謡を元にアレンジしたものです。中国西南部の広西チワン族自治区の国境地区に住むムーラオ族は歌が得意な民族で、ほぼすべての家族には歌集があり、すべての村には素晴らしい歌手がいるそうです。
この民謡の歌詞の内容はよくわからないのですが、その歌声から故郷や愛する人に対する真摯な感情を感じることができます。
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