広大な中国の大地は56の民族を育んできました。そして、この大地に生きる各民族と各地域の特色ある音楽は多彩な中国の音楽世界を作りました。優雅な江南地区の伝統音楽や情熱的なモンゴル草原の響き、華やかな京劇、そして西南地方の少数民族の美しいハーモニー……。この番組では中国各地の心を揺さぶる旋律と音色をご紹介していきます。皆さん、ご一緒に中国民族音楽のルーツを探りましょう。

　今月１月23日は中国人にとって最も重要な祝日・春節（旧正月）です。中国では旧正月休暇の時に家族や親しい友人が集まって、お酒を飲むのは欠かせないことです。また、多くの少数民族はお酒を飲む時に、興を添えるため、お酒の歌を歌う慣わしがあります。そこで今回の中国メロディは中国の少数民族のお酒の歌を特集しました。番組の中で紹介したのは「康巴酒歌（康巴酒歌）」「羌族酒歌（チャン族酒歌）」「鄂尔多斯酒歌（オルドス酒歌）の3曲でした。

　１曲目「康巴酒歌（康巴酒歌）」

　康巴はチベット高原東部の四川省甘孜州、阿埧州などの一部の集落です。またそこに住む康巴人は明るくさっぱりした性格と多彩な民族文化で知られています。このチベット語で歌ったお酒の歌はチベット族の人々の自然への賛美と親しい友人への祝福を表しています。歌詞には・・・・・・

　夏の青々とした草原にゴーサンという花が咲いている。

　縁起のいい酒を高く挙げて両親に捧げる。

　旨い酒を親しい友人に捧げる。

ハダカムギ酒は一番旨く、兄弟の情は一番深い。

　2曲目「羌族酒歌（チャン族酒歌）

　チャン族は遠く紀元前より続くとても古い歴史をもった民族で、昔からチベット高原東部の山間部に暮らしています。村のほとんどが雲に囲まれた高い山の中につくられているため、「雲の中の民族 」と言われています。長い歴史を経て、チャン族の人々は輝かしい歴史と幸せな生活を作り出しました。チャン族の人々にとって、冠婚葬祭の時にお酒を飲むことは欠かせないことです。飲む時にお酒の歌を歌うことも不可欠で、これはお客さんへの敬意を表すものだとされています。チャン族のお酒の歌にはお客さんへの祝福や民族の歴史、そして英雄の物語などいろいろな内容が含まれているそうです。この「羌族酒歌（チャン族酒歌）」という民謡はチャン族の人々が遠方からのお客さんに歓迎と祝福の意を表すために歌う歌です。

　3曲目「鄂尔多斯酒歌（オルドス酒歌）

　蒙古族は「馬の背中に乗っている民族」と言われ、主には中国北部のモンゴル草原に暮らしています。長きにわたる遊牧生活で蒙古族の人々は開放的で、社交的になり、お客さんを喜ばせるのも大好きです。特に、内蒙古自治区西南部のオルドス草原の人々はお客好きで、歌と踊りが堪能です。蒙古族の民謡は蒙古族の情熱あふれる豪快な民族性をよく表しています。この「鄂尔多斯酒歌（オルドス酒歌）という民謡は躍動感あるリズムでオルドスの民謡の独特な魅力を堪能できます。