こうして乾隆帝の誕生日になった。劉墉はこの日、赤めの金をまぶした箱に王さんの作った八仙人と長寿の神の人形を入れ、上に真っ赤な絹をかけ、二人の屋敷の者これを担がせ宮殿に向かった。
さて、このときは乾隆帝の誕生日だというので、宮殿はかなり賑やか。乾隆帝は上機嫌で、大臣たちからの祝いの言葉にうなずき、贈り物を受け取り、殿堂内は貴重な贈り物でいっぱいだった。
と、このときに宰相である劉墉がニコニコ顔で入ってきた。みると大きな箱を下のものに担がせている。これにその場にいた大臣たちは、今年、宰相はどんな贈り物を持ってきたのだろうと小さな声で話し合っていた。こうして劉墉は乾隆帝の前に来て土下座し、祝いの言葉を述べた。そこで乾隆帝がにやにやしながら聞く。
「劉墉や、そちはどのようなものをもってきたのじゃ?」
これに劉墉はわざと咳をし目を細めて答えた。
「今年の私めの贈り物は大いに異なります。どうぞご覧くださいまし」
劉墉はこう言うと下のものに箱をもってこさせ、大きな卓の上に置かせた。そして自分で箱の中の物を出して一つ一つ並べさせた。これに乾隆帝は目を見張り、その場にいた大臣どもは驚きの声を上げた。というのも、並べられた八人の仙人と長寿の神の人形は色も鮮やかな上、今にも動きだしそうでだったからだ。一人の大臣が思わず聞く。
「宰相どの。驚きましたな。さぞ大金をお使いになったことでしょう」
これに劉墉は答えず、乾隆帝に人形の近くに来て細かく見るよう勧めた。そこで乾隆帝は、これら人形を細かくみて思わす言う。
「ふーん。これはたいしたものじゃ。で、そのほうこれらを幾らで手に入れた?」
これに劉墉は、ただ五本の指を立てただけ。
「うん?五千両?」と乾隆帝。しかし劉墉はくびを横に振る。
「なんと五万両も」とまた乾隆帝。だが劉墉はまたもくびを横に振る。
「では、いったい幾らじゃ?」
これに劉墉はゆっくり応えた。
「銀、五両でございます」
「なに?たったの五両?」
これに乾隆帝をはじめ、大臣たちは驚く。乾隆帝は、すぐに、劉墉めが、また人をからかっているなと思って少し不機嫌になり「うそを申すな!」ときつい顔をする。そこで劉墉はまじめな顔をし「私めはうそなどつく勇気はありませぬ」という。乾隆帝は、これらの材料は玉か、または象牙かと聞く。
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