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「王家と李家」

2011-10-27 14:30:46     cri    

 今晩は、ご機嫌いかがでしょうか?林涛です。

 この時間は、「王家と李家」、それに「蓬莱米の伝説」というお話をご紹介しましょう。

 はじめは「王家と李家」です。

 「王家と李家」 





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 むかし、淮(わい)河のほとりに姻戚同士の家があり、婿の家は王といい主は王実心、嫁の家は李といい主は李五義という。この王家と李家はいずれも金持ちだったが、王家はある年に火事に遭ってかなりの損を蒙り、いくらかの田畑が残るだけの農家に落ちぶれてしまった。一方、李家は多くの土地を持ち、屋敷も大きい。王家には四人の息子がいたが、李家には二人の娘しかいなかった。そして上の娘は、火事に遭う前から王家の長男の嫁だったのだ。

 で、火事の前は、この姻戚同士は行き交いも多く親しくしていたが、王家が災難に遭って財産が減ると、李家は相手を見くびりはじめ、何かあるとその贅沢振りを見せびらかした。これに王実心は卑屈になってきた。

 ところで正月になると挨拶回りとして王家と李家はどちらかが最初に相手を訪ねることになっていたが、王実心は家計がよくないにもかかわらす、無理してかなりのものを持ち、先に李家にやってきた。

 一方、李五義だが、王実心が先に挨拶回りに来ると予想していたので、朝から新しい服を着て屋敷で待っていた。王実心が着くと、まずは二人で正月の挨拶を交わして世間話に移る。王実心がいう。

 「これは五義さん、元気だねえ。見なさい、私の白髪は増えるばかりだ。ほんとに五義さんは若く見えるな」

 これに李五義はそれを真に受ける。

 「そうかな。でも実心さんは、一年会っていないのに、かなり老けたね。相当困っているのかね」

 これを聞いて王実心は苦い顔で答えた。

 「まあまあだ。お!これらはつまらないものだが受け取ってくださいな」

 「なんですか。そんな。水臭いね。でも、これらのものは高かったんでしょう。うちは足りないものはないんだよね。それにこれらを買うにも苦労したんじゃないのかね?」

 王実心、これにムカッとなったが、それがほんとなので黙って笑いを作った。

 で、昼餉になり、この日はこれまでの正月より多くの料理が食卓に並び、上等の酒も出たので、これはまたも見せ付けているなと思った王実心は「何も私が来たからと言ってこんな沢山の料理を出すことはない」

 「何をおっしゃる。実心さん、これらはあんたを思って作らした料理。普段は口に出来ないのじゃないのかえ?だから、今日は安心して腹いっぱいいただきなさいよ」

 王実心、ここまで相手が自分を見下げているとは思わなかった。しかし、性格が穏やかな王実心はこらえた。そこへ下女が汁物を運んできたが、食卓は一本の足が短かったので少し傾いており、汁物を置いた途端、汁がこぼれてしまった。そこで李五義は怒り出し「何をしとるか!!仕様がない。その短い足の下に銀を重ねて敷きなさい」という。

 そこで下女が泣き顔で出て行き、李五義の妻が銀四枚取り出して下男に渡し、下男が食卓の短い足を持ち上げ、その下に銀を敷いた。このように昼餉時に何かあると、李五義はその贅沢さを見せびらかすので、王実心はせっかくの料理も喉を通らなかった。

 「ほんとだな。人は金がなくなると馬鹿にされるな」とつくづく思った李実心は箸を置いて、これから友達の家へ行くと言い席を立った。しかし、そのとき李五義が、「実心さん、金を持ち合わせていなければ、少しもってくかい?」というのでムカッとなったが、それには答えず李家を離れた。

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