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賢い少年

2011-10-20 10:59:13     cri    

 





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 まずは清代の書物「客窓閑話」という本から「賢い少年」です。

 「賢い少年」

 いつのことかはっきりわからん。ある少年がいて、家は貧しく、母親が床に臥しており、病を治すために父は商人から借金して薬を買っていたが、その甲斐もなく、母親は少年が七歳のときに亡くなった。しかし、借りた金は返さなければならず、どうにもならない。こうして父は途方にくれ、そのうちに病に倒れた。しかし、商人は、月に何度か借金を返せといいに来る。そこで父はいつかは何とか返すからそれまで待ってくれと頼む。これを聞いた商人、仕方がないので渋い顔して必ず返すようにと念を押して帰っていく。

 それから数年たったが、まだ借金は返せないので、商人はいらだち始め、言葉遣いもいくらか荒くなり始めた。このころ、十幾つになっていた少年は、いつも閑があれは近くにある塾の窓の外から、塾の先生の言うことをしっかり聞き、頭もよかったので、塾生でなくともそれに負けないぐらいのものを覚え込んでいた。こうして、少年は我が家のことの仔細がいくらかわかるようになり、商人に怒鳴られている父を見て悲しみ、自分でも何とかしなくてはと思うようになっていたのだ。

 その日、少年は昨夜から考えていたことを父に話した。

 「父さん、おいらが返す金を何とかするから」

 「うん?なにをいう!お前はまだ子供だ。大人のことなどわかるもんか!」

 「わかるよ。とうさん、なんとかしないと、このままではどうにもならないよ」

 「そんなことはわかってる」

 「だったら、試においらにやらしてくれよ。たのむよ。おいらだって父さんがいつも叱られ、床の上で嘆いてばかりいるのをみてつらいんだよ」

 「お、おまえ・・」

 「とうさん、これがうまくいかなくても、おいらは子供だから人に大げさに言われることはないよ。だから、家に残ったお金をつかわしてよ」

 これを聞いた父も、このままではどうにもならず、息子が何とかしてくれれば、いくらかよくなると考え、それにどうせ子供が考えたことをやるんだろう。事がうまくいかなくても、大騒ぎはされんとおもい、真剣な息子の顔をじっとを見てからいう。

 「しかたがない。お前の父さんにはどうにもならなかった。息子や、お前の気持ちはわかるぞ。家にはまだ少したくわえがあるから、お前はそれを持ってお前の考えどおりやれ。しかし、うまくいかないと思ったら、すぐにやめるんだぞ」

 「うん。とうさん、わかったよ。おいらの話を聞いてくれてありがとう」

 ということになり、息子は父に言われたとおり、屋根の裏から家の全財産ともいえる一袋の銅銭を懐に、次の日、役者をしている隣の男を訪ねに行った。

 金を受け取った役者は、いったい何をするんだと聞くと少年が言う。

 「おじさん、いいかい。明後日、おじさんは学問の神だという魁星に化けるんだよ」

 「おれが魁星に化けてどうするんだ?」

 「明後日、うちが金を借りている商人がうちに来るから、おじさんは魁星に化けて、商人がおいらの部屋に入ったときに出てちょうだいよ。そしてすぐにおいらの後ろに隠れ、商人が帰れば、おじさんの役目はそれで終わりだよ」

 「なんだい?それだけかい?それなら簡単。おじさんに任しておきな。うまく魁星に化けてみせるから」

 こうして少年はうちに帰り、父に言う。

 「明後日にあの商人がきたら、父さんはこういうんだよ。息子が遠い親戚の家に金を借りに行ったところ、親戚は金を貸してくれると答えたが、いつその金を届けに来るかわからない。詳しいことは息子に聞いてくれとね。そして父さんは、大声でおいらを呼ぶんだよ。そのときおいらは大声で本を読んでいて、父さんの呼び声は聞こえなかったふりをするんだ。そうすれば、あの商人はきっとおいらの部屋に来るから、そのあとはおいらにまかしてよ」

 これに父はしばらく考えていたが、息子が幼いときから賢かったのを思い出し、何も言わずにうなずいた。

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