会員登録

「宝のたまる鉢」(聚宝盆)

2011-10-13 14:23:35     cri    

 今晩は、ご機嫌いかがでしょうか?林涛です。

 今日は中部安徽省につたわる「宝のたまる鉢」というお話しをお送りしましょう。

  





src="mms://webcast.cri.cn/tokyo/xihua/20090223xihua.wma"



type="video/x-ms-wmv" width="300" height="44">

 「宝のたまる鉢」(聚宝盆)

 明代の初め、安徽の潘村街に、ひどい不作で食べ物がなく故郷から逃れてきた一家四人がいた。

 夫は華良といい小さな荷車を押し、上には布団が敷いてあり、ぼろの甕やお椀が隅に置かれ、梁花という身ごもった妻、それに四つと二つになる男の子が乗っていた。この一家は山東から来たもので、夫婦は潘村街のはずれにある祠に住むことに決めた。この祠は荒れ果て、中に背丈が二尺ぐらいの福の神の木像が祭ってあるが、長年ほったらかしで、ほこりだらけになって倒れていた。

 そこで華良夫婦は二日費やして掃除にかかり、おかげで福の神はさっぱりし、壁や地面、それに庭までもきれいになり、祠は昔の姿を一応取り戻した。また、隅にかまどを作り、近くの土台を床にしたので、子供たちははしゃぎ、こうして潘村街での暮らしが始まった。また妻は、福の神の像を毎日拭き、香をたいてお祈りごとをし、夫や子供たちもこの木像を大事に扱い、まるで家族が一人増えたような雰囲気だった。

 ところで、華良は野良仕事のほか、木工も少しでき、それに力があるので、半月後には、潘村街にある大きな質屋に雇われた。また、妻の梁花は小麦粉料理が上手で、その餡なしの饅頭はおいしく、また手打ち麺は太さがみな同じで、翌日になっても一本一本分かれている。

 ある日、質屋が客のために一席設けるというので、梁花が手伝いにいき、その腕を見せたので、すぐに評判になった。こうして手打ち麺が食べたくなったら、梁花を家に呼んで作ってもらい、その手間賃は僅かだ、これは一家の家計を助けた。しかし梁花は身ごもっているので、行ったり来たりするのが不便になった。そこで、質屋の女房が小麦粉を借りて家で麺を打ち、表で売るよう勧めた。こうして梁花は小麦粉を借り、家で麺を打って売り始めたところ、隣近所だけでなく遠くの人までが買いに来たので、いい稼ぎになった。つまり潘村街に最初の麺屋ができ、商いはうまくいく。これをみてある人は、華良夫婦は福の神の祠に住み着いたので、きっと福が来たんだという。これにみんなはうなずき、その日からこの祠に線香を上げに多くの人が来た。

 と、ある日の夜、華良は目を覚ました。面白い夢を見たので横で寝ている妻の梁花を起こした。

 「どうしたの?こんな夜中に」

 「さっき面白い夢をみたんだ」

 「面白いってどんな?」

 「畑で大きな鉢を掘り起こしたら、一人のひげの爺さんが来て言うんだ。これは宝のたまる鉢で、一握りの米を入れるとすぐに鉢いっぱいの米になるとな。しかし使い道を間違えると、家をつぶすとな。そこで俺が聞こうとすると、その爺さんはふっと消えてしまったよ」

 「変な夢ね」

 「この夢が吉か凶かはわからんが」

 「いいじゃない。吉だろうと凶だろうと、どうせ避けられないものよ」

 妻はこういってまた寝てしまった。

1 2 3 4
関連ニュース
関連項目
v 「王冠の真珠」 2011-09-29 09:53:50
v 宣室誌 2011-09-01 16:03:51
v 石になった牛 2011-08-25 12:05:07
v (1)昔話「土地の神となった六郎」ー1 2011-08-18 09:49:09
写真トピックス
コメント
今週の番組
今日熱点
快楽学唱中文歌
特集ダイジェスト
LINKS