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新年笑いましょう(再放送)

2010-01-26 15:42:07     cri    

 「川という字」

 牟さんは、読み書きができなく、いろいろ困っていたが、その年の暮れに思い切って塾に通い始め、先生から「川」という字を習った。これからはおいらも文字を知らないと人にいわれなくなったと少し得意になり、酒仲間で同じように読み書き出来ないとなりの申さん呼んできた。

 「申さんよ。おいらはもう読み書き出来るんだぜ」

 「ほんとかい?牟さん、いつ習ったんだい?それに幾つ字を覚えた?」

 「いや、まだ多くはないが、そのうちに申さんにも、教えてやるよ」

 「なんだい。はじめたばっかりだというのに、もう威張ってやがる」

 「威張ってなんかいねえよ。」

 「じゃあ。牟さん、なんという字を習ったんだ?」

 「そりゃあ、たくさん習ったよ。中でも川という字は忘れられないねえ」

 「川?川って、あの流れる川かい?」

 「ああ。流れる川だよ」

 「へえ?じゃあ、どんな字が川なんだい?」

 「そうよ。で、申さんに見せるため、習字の本をわざわざ買ってきたんだ」

 と牟さんは、習字の本を広げた。

 「へえー?いろいろ書いてあるけど、どれが川という字なんだい?」

 「そう、あせるなよ。今教えてあげるからよ」

 こうして牟さんは、習字の本をめくり始めた。が、川という字はなかなか見つからない。

 これを横で見ていた申さん、にやっと笑っていう。

 「なんだよ。読み書きはじめたなんてうそだったんじゃないのかえ?牟さん」

 「うそじゃねえよ」と牟さんはいくらかあせり始めたが、そのうちに一、二、三の三という字をみつけ、少し考えてから言った。

 「なんだよ。あったよ。あったよ。ここにあったよ。ええ?仕方がないねえ。川と言う字はこんなところで横になって寝ていやがったよ」

 今度は、「笑林」という本からです。「起き上がらなきゃよかった」

 「起き上がらなきゃよかった」

 展さんが町を歩いていた。しばらくするとどうしたことか、不意に転んで尻餅ついた。

 「いてて!なんだよ!」と展さん、お尻についたほこりを叩き落しながら立ち上がったが、またすぐに転んでうつ伏せになった。

 「うひ!なんだい?頭にくるなあ!起き上がってすぐに転ぶのだったらさっき転んだ後起き上がらなきゃあよかったよ。ほんとに!」

 次は、「笑広府」からです。「短い魚」です。

 

 「短い魚」 

 伊さんは、年末に商いがうまく行き、正月になったというのでしぶしぶ過ぎ去った年に世話になった人を招いて家で一席設けた。しぶしぶというのは伊さんが普段からけち臭かったからである。

 さて、客はけち臭い伊さんが一席設けたというので、珍しがり、どんなものが出るかと興味を持ってやってきた。その日は伊さん、野菜料理のほかに、魚料理を出した。が、魚は真ん中をとって頭と尻尾をくっつけたものだからいずれも短い。これをみて客たちは伊さんに聞く。

 「伊さんよ。伊さん。この魚はどこで取れた魚かね」

 「なんです?急に。魚は川から取れたものに決まってるでしょう」

 「でも、いずれもかなり短いね」

 「魚が小さいのは猟師がわるいのですよ」

 「なんでえ、しかねえ。伊さん、今日の魚はみな狭い井戸で取れた魚でしょう、どうりで短いわけだ」

 これには伊さん、目をパチパチさせて何もいえなかったそうな。

 さて、暮らしは豊かな方がいいのに決まってますが、お金ほしさにいろいろと考えが出てくるものですね。昔はこんな人がいたようです。

 同じく「笑広府」という本から「半殺し」です。

 「半殺し」

 翌さんは、金がないので正月が迎えられないと困っていた。当時、街にはかなり意地の悪い金持ちがいて、いつも貧しい人たちをいじめては楽しんでいるという。で、翌さんはいくら考えてもすぐには金が手に入る手段がないので、仕方なくその金持ちの家を訪ねた。

 「なんだと?銭をかしてくれだと?」

 「ええ、銭がねえもんで、正月を迎えることも出来ない有り様で」

 「今日は貸すわけにはいかねえんだよ」

 「そんなこといわないで、貸して下さいよ」

 「ふん!銭は貸さないよ。そのかわり、銭をやろう!」

 「え?銭をわたしにただで下さるのですかい?これは人の良い旦那ですね。さっそくもらいましょう」

 「何を言いやがる。誰もただでお前にやるとは言ってないよ」

 「じゃあ、どういうことで?」

 「おまえに銀千両やるかわりに、お前を殺すのだ!どうだい。銀千両とくりゃあ、大金だよ」

 「え?銭をくれる代わりにおいらが殺されるのですか?」

 「そういうこと」

 「そんな。旦那、命がなくなりゃあ、何もかもおしまいでしょう?」

 「そうさな。が、仕方があるめえ。銭はほしいのか。あるいは命がほしいのか?どうだ?」

 「そんな無茶な」

 「じゃあ、やめときな」

 これを聞いて翌さん暫く考えてから答えた。

 「じゃあ、こうしましょう。旦那、銀千両じゃなくて、半分の五百両を貰いましょう」

 「なに?半分の五百両がほしい?」

 「そう、その代わり、わたしを半殺しにしてくださいよ。半分の五百両で半殺し、それでいいでしょう?」

 これを聞いた金持ちはポカーンとしているだけだったそうな。

 次は同じ出所から「声を小さく」です。

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