今晩は、ご機嫌いかがでしょうか?林涛です。
この時間は、むかしの変った話をいくつかご紹介しましょう。
はじめは「酉陽雑俎(しょ)」 という本から「韋駄天男」です。
「韋駄天男」
時は元和年間、塩城に張厳という飛脚がいて、いつも書物などを袋で包み肩に縛って運んでいた。この日、張厳は、都に向かう途中の宋州で一人の男がかなり速く走るのと見て、それを呼び止め、一緒に旅をしようといったところ、男はすぐに首を縦に振った。それは男は張厳が飛脚だと一目でわかったらしく、同じ商いをしているので、興味を持ったのかもしれない。
さて、一緒にいって夕方になり、男は今晩は鄭州の宿に泊まると言い出したので、張ゲンも同じ宿に泊まることにした。そして翌朝、男が張厳にいう。
「おれの言うようにすれば一日数百里は多くいけるぜ」
「ほんとかい?一日に数百里だと」
「ああ、俺の言うとおりにすればな」
男はこういって張厳と共に宿をでたあと、人のいないところにきて地面に五六寸の深さがはある二つの穴を掘った。そして張厳に穴に立たせ、かかとを穴のうしろに引っ掛けさせ、細い針でかかとを刺した。張厳はこれに驚いたが、はじめは痛みを感じず、言うままになっていると、男は張厳のひざの後から下に絞るように揉むので、かかとから血が出てきて穴に流れた。すると張厳は両足にこれまでにない軽さを感じたので、そのまま、穴から出て走ってみるとなんと普段よりかなり速く、それに自分が宙に浮かぶのではないかを思うほどだった。こうして二人は昼までに都についてしまった。
さて、都でことを済ました二人だが、男は今度はとおい陝州にいくという。そこで張厳は、そんな遠くまでは体が持たないというと、男は、「ひざの骨を暫く外せば、もっと速く走れるし、痛みも疲れも感じない」といった。。
これには張厳は怖くなり、自分はふるさとに帰るという。そこで男は「じゃあまたどこまで会おうぜ。おれは夜までに陝州似つかなきゃならないんだ。、あばよ」と言い残し、急に飛ぶような速さで走り始め、その姿は瞬く間に消えてしまったとさ。
次も「酉陽雑俎(しょ)」という本からです。
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