ダワズ(高所網渡り)は中国新疆ウイグル族の伝統芸術で、長い歴史を持っています。その独特な風格、それに芸人の驚きの技と心をわしづかみにされる妙技に人々は魅了されています。新疆雑技団にダワズチームがあります。このチームはダワズの継承や技巧などの革新に積極的に努力してきました。
ダワズはすでに2000年余りの歴史があり、西域を起源としており、世代に伝えられ、昔、一部の芸人は海外でも公演しました。
新疆雑技団ダワズチームの責任者アンディリ・ウシルさんは6代目の継承者です。1971年7月1日、アンディリ・ウシルさんは新疆カシュガル地区のダワズの家に生まれました。お父さんは地元でよく知られているダワズの芸人です。ウシルさんの話によれば、彼のお父さんは一つの特技がありました。しかし、数人の兄弟でその特技を身につけた人は一人もいなかったということです。そのわざとは45度に傾斜する網の上を、人を肩に担いで裸足で渡ることです。お父さんは72歳のときの慰問公演でこれを披露しました。
お父さんはダワズの危険性を熟知していたため、子供たちにダワズをならわせませんでした。子供のとき、ウシルさんはダワズがどういうものか、その危険性についてはっきり知りませんでした。ウシルさんは「5つのとき、父が亡くなりました。そのときウシルさんはダワズのことがぜんぜん分かりませんでした。母がダワズのことやどうやって継承してきたかなどを話してくれた。そして、地上から空中21メートル高い所にはった網の絵を描いてくれました。それを見てびっくりました。父がこんな高い空中で網渡りができたのはとてもすごいことだと思い、ダワズを学ぼうと決心して、練習するようになりました」と話しました。
1986年、数年にわたる苦しい訓練と公演を通じて、ウシルさんは初めてウルムチ市へ行き、第3回全国少数民族スポーツ選手と新疆各民族のダワズ公演に参加しました。これについてウシルさんは、「このような大きな場所でダワズを披露したのは初めてのことで、観衆の反応もよく大歓迎され、多くの人と一緒に写真をとりました。そのとき、ダワズを勉強したことを誇りに思い、自分が自信を持てるようになりました」と話しました。ダワズの芸術が受け継がれていくようにするため、新疆ウイグル自治区政府は1990年に民間のウイグル族の20人のダワズ芸人を新疆雑技団ダワズチームに編成しました。こうして、ダワズに活力が注がれました。
ダワズの屋外での公演はなかなか魅力的なものですが、その発展につれて、屋内の舞台でも公演されるようになりました。舞台美術と照明の効果もあって、よりすばらしくなってきました。
1997年、ウシルさんは命綱をつけず、わずか13分48秒で、長江の三峡流れの上空にかけた長さ600メートルのロープをわたり、ギネス記録を破りました。その後2000年10月6日にも、衡山の谷の上にかけた長さ1399.6メートルのロープを渡り、命綱なしの網渡りでギネス記録を更新しました。さらに、2002年、北京平谷県金海湖で、「高空で25日間生存」の記録を記し、世界に注目され、中国の「空の王子」と呼ばれるようになりました。
これらの世界記録によって、世界の人々にダワズ芸術が知られるようになりました。現在、ダワズは国家の無形文化遺産に登録されています。ウシルさんとその弟子たちはダワズを次世代に伝えていくことを決心しています。(翻訳:トウエンカ)
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