中国西南部の雲南省シーサンパンナタイ族自治州の景洪市と勐蝋県に人口はわずか3000人のクム人(克木人)が暮らしています。地理的に辺鄙なところであるため、交通も不便で、貧しい生活を余儀なくされていました。これを受けて、政府は昨年の春、クム人を扶助する計画を打ち出しました。
勐蝋県尚永鎮南欠村には60世帯余りのクム人が生活しています。
新中国が成立する前、クム人は原始社会の末期状態にあり、中国とラオス国境地帯の熱帯雨林に居住し、遊耕していましたが、1970年代、政府の援助の下で、現在の居住区に移住しました。地元のお年寄りによれば、以前、村は貧しく、農民の暮らしは困窮しており、家もひどく老朽化していたということです。地元政府は昨年3月から3年間にわたって、6000万元を投じ、クム人の扶助に乗り出しました。住宅、水利、電気、教育、生活保障など12のプロジェクト建設が始めりました。これらプロジェクトは12の村におよび、2200人余りのクム人の生活が改善されました。プロジェクトにより、すべての家が建て替えられたということです。現在、70キロにおよぶ道路の敷設が完成し、およそ1000人に関わる飲用水の問題が解決されました。南欠村の岩双村長によると、この計画により、農家には家屋の補修および増築補助金として、およそ2万6000元が支給されたということです。また、村にも、道路や会議室などが建設されました。現在、南欠村に足を踏み入れると、整然と軒を連ねる家屋が目に入ります。部屋は明るく、電気や下水道などの設備も整っています。どの家にもテレビや電話が据え付けられ、トラクターやオートバイを購入した家庭さえあります。咪燕湘さんは4年前、花嫁としてこの村にやってきました。咪さんは「南欠村は様変わりしました。4年前と比べると、信じられない変化です。当時は、この村に電気や道路などが通るなんて、夢にも思っていませんでした」と話しました。
朝7時ごろ、人々は働き始めます。この村では、水稲、トウモロコシ、ピーマン、かぼちゃなどの農作物と野菜が栽培されています。このほか、大面積のゴムの木が栽培されています。咪さんの家も面積2ヘクタールのゴムの木を栽培していますが、それによる収入は年に2万元以上あるそうです。村には、さらに豊かな農家も少なくありません。南村長の話では、1996年に村は133ヘクタールのゴムの木を栽培したそうです。現在、村人の考え方も大きく変化しました。たとえば、以前は、自給自足に満足していましたが、現在では、稼いだお金で農産品の経営をするようになりました。また、多くの農家は子供を町の学校に送り、より多くの知識と技術を見につけさせています。
しかし、地元では、標準語を話せる人は半分にも満たない状態で、外部との交流には依然として障碍があります。そのため、地元での学校建設も進められています。村人の依香雲さんは現在、村の外の師範専門学校で日本語教育を学んでいます。卒業後は、村に戻って学校の先生になりたいそうです。専門を真面目に勉強して、村の子供たちに標準語を教えるのが依さんの夢です。(翻訳:トウエンカ)
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