中国北西部の新疆ウイグル自治区と甘粛省に歌と踊りが得意な民族カザフ族が住んでいます。「アークン」とはカザフ語で民間歌手という意味です。水が澄み、水草が茂る夏になると、アークンの歌の集い「アイトゥス」が行われます。人々は草原に集まり、テントを張り、牛や馬、羊を周辺の牧場に放牧して、ドンブラという民族楽器を弾きながら、歌の競演を行います。
今年行われた第18回新疆塔城アイトゥス文化観光祭りに、新疆各地から各民族の人々3万人が参加し、盛大な祝賀イベントーを行いました。
第18回アイトゥス文化観光祭は和布克賽尓蒙古自治県の白樺の森のある景勝地で行われました。約200張の白いテントが草原に整然と並んでおり、遠くからは、緑の草原に散らばる真珠のように見えています。開幕式で、各民族の人々は楽しく歌ったり踊ったりしました。カザフ族の放牧民はドンブラを弾きながら、メロディーは優雅で明るく、リズミカルな曲にのって、「黒走馬」という舞踊を舞い、会場は楽しい雰囲気に満ち溢れていました。塔城地域の2つの市と5つの県から来た43人のアークンはすばらしいパフォーマンスを披露しました。
新疆塔城地域文化スポーツ局の葛梅副局長の話によれば、今回のアイトゥスにはこれら43人の民間歌手のうち20人は女性歌手がいます。彼らはいずれも専門的なトレーニングを受けたことがあり、中でも一番若いのは18歳ということです。
アイトゥスの形式は2つに分けられています。一つは、歌手は自らドンブラを弾きながら、歌います。歌はほとんど伝統的な長い叙事詩と民謡です。もう一つは、デュエットです。2人あるいは多くの人は二組に分けて一問一答の形で行われます。歌の内容は昔の慣わしを残しながら、新しい内容を加えました。これについて、塔城地域で翻訳の仕事に携わっているマダニアさんは「祭日やお祝い事の場合、草原ではアイトゥスが行われます。歌の形式はほとんどデュエットで、歌の内容はとても豊富です。人々は歌を通じて、互いに挨拶したり、恋を語ったり、現実の生活を称え、歴史の物語などを伝えています。アイトゥスは周辺の放牧民を多く魅了しています。アイトゥスの期間中に、競馬や蒙古相撲、「娘追い」などのスポーツ行事のほか、手工芸品の展覧会も行われます。
「娘追い」はカザフ族のスポーツ活動で、若者がすきな伝統的な娯楽活動でもあります。男女2人を一組に、それぞれ馬に乗って、肩を並べて楽しく話しながら目的地に向かってゆっくりと走ります。ところで、目的地に着くと、男性はすぐ馬にむちを入れ、帰り道に向かって速く走り出します。すると、娘は後ろから追いかけます。追いついたら、娘は男性の頭上に鞭を高く鳴り回します。体に打ったら、若者は殴り返すことは出来ません。娘はその若者が気に入ったら、高く上げた鞭で男性を軽く打ち、恋を表します。
競技場では歌の競演やスポーツ競技を楽しむことが出来ます。競技場周辺のカザフ族のテントの中に展示される各種の手工芸品が人々の目に注目されています。たとえば、伝統的な鞍や刺繍の施された工芸品などです。
改革解放後、新疆の経済と社会の発展に伴い、各民族の生活レベルは向上し、アイトゥスも新しい生命の息吹に触れ、人々の文化・スポーツ活動が盛んになっただけではなく、すばらしい伝統、文化、スポーツの伝承を保護してきました。さらに、経済貿易の商談や民俗観光の交流の場となっています。
新疆和布克賽尓蒙古自治県観光局の劉偉傑局長の話によれば、ここ数年、アイトゥスの開催によって、観光が盛んになってきたということです。さらにアイトゥスによって民族文化が新たな発展をにしていくでしょう。(翻訳:トウエンカ)
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