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ロガパイさんの定住生活

2009-10-15 12:52:10     cri    

 中国西北にある新疆ウイグル自治区では、カザフ族、蒙古族、キルギス族、タジク族などの遊牧民族が暮らしています。昔から、遊牧民たちは水と草のあるところを探して放牧していたので、どこそこに定住するということはできませんでした。このため、これら遊牧民の医療条件や教育条件は保障することが出来ないでいました。

 そこでこれらの問題を解決し、遊牧民の生活を改善するため、新疆の多くの地区では、遊牧民定住プロジェクトが実施されています。

 新疆のアルタイ地区のにある福海県チガンジディエ(斉幹吉迭)郷という町には600世帯のカザフ族の牧畜民が暮らしています。この数百年来、彼らも遊牧の暮らしをしてきました。今年37歳の村民ロガパイさんは、これまで雪が溶ける季節には、一家を連れて南から北へと牧草の茂るところへ家畜を移動させ、6月の初夏になると、元の牧場に移ります。そして、8月下旬にアルタイ地域で雪が降り始めるころに、山奥から麓へ家畜を移し、11月下旬の気候がやや安定したときに、また冬の牧場に移るのです。ロガパイさんの話によれば、これまであちこちでの遊牧生活では、人手も足りず、もし病になれば、それを治してもらう病院などがないので、多くの人は死んでいったのです。

 このような遊牧生活は、医療面だけでなく、教育などでもまったく保障されません。また過度な放牧によって、草原の退化を加速させ、畜産業の生産は困難な状態に陥ったのです。これについてアルタイ地域の責任者張漢東さんは「遊牧生活は毎年数十回も移動する必要があり、子供の教育、病気の治療などで不可能なことが多くある。さらに、牧場の面積などにも限界があり、人口が増えても家畜の保有量をを増やすのは難しい」と話しました。

 牧畜民のこのような「天任せの暮らし」を改めるため、中央政府は数年前から、補助金と住宅を提供することを通じて、遊牧民を定住させることに努力してきました。チガンジディエ郷のサイクロ(賽克露)村はそのために建てられたのです。この村に入ると、カザフ族の風格を持つ煉瓦造りの白い建物が道の両側に立ち並んでいます。白い壁にはカザフ族の特徴を持つ絵が描かれています。そして道端では民族楽器であるドンブラを弾きながら歌う人の姿が見られるのです。

 2008年、ロガパイさんと多く牧畜民はこのサイクロ村に定住しました。ロガパイさんの家に入ると、客間にはソファー以外にカラーテレビや冷蔵庫などの家電があり、壁には色鮮やかな壁掛けと鷹の標本、狐の皮が掛けてあって、これら掛け物はこの家の主が遊牧民族だったころの勇敢さと強さを表しているのです。そして食卓の上には、干した牛肉、羊や牛の乳が原料のミルク豆腐などカザフ族の伝統的な食べ物が並べられました。ロガパイさんの奥さん梅花さんは私たちを親切にもてなしながら、「以前は遊牧生活を送り、毎年、あちこちへ引越して大変だった。しかし、いま一家は定住して落ち着き、電気が使え、下水道もあり、生活はとても楽になった」と笑顔で答えていました。

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