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チベット医薬文化博物館

2009-11-06 10:02:00     cri    

 中国青海省西寧市青海バイオ科学技術産業区にチベット族の風格を持つ近代的な建築物―中国チベット医薬文化博物館があります。世界に向けて伝統的なチベット医薬と文化を紹介する初の博物館で、歴史の長いチベット医薬文化を体験することが出来ます。

 この博物館にはチベット医薬が用いられた動植物、鉱物の標本2000種類余りが収蔵され、また、歴代のチベット医薬学者28人の事跡、彫像、医薬経典1000部余りが展示されています。うち『中国蔵族文化芸術彩絵大観』という大きなタンカ(チベットの仏画)がギネスに認定されました。

 博物館の元旦尖措(Yontan janco)副館長の話では、このタンカは青海地区の有名なタンカ工芸家によって設計、作成されたものです。設計には23年間、作成にはチベット族、蒙古族、漢族、土族の師匠400人がかりで4年間かかりました。このタンカはチベット族の宇宙観、人類の起源、チベット族の歴史、宗教、哲学、天文、医学、風俗習慣、名勝古跡、装飾図案などを表現しており、全く一つの百科全書のようです。長さは618メートル、幅は2.5メートルあり、あわせて18万3000の人物が描かれています。金粉や銀粉、天然鉱物の顔料を使い、1000年経っても退色しないということです。

 このタンカを観賞するには少なくとも1時間はかかるそうです。

 チベット医学はチベット族が世界にささげる遺産の一つです。2006年、チベット医学は国家無形文化遺産保護リストに登録されました。チベット医薬文化は青海チベット高原の原住民が地元の医学経験に基づいた上で、インド医学、西洋医学、漢方医学の長所を取り入れ、チベット医学界の各学派の智恵を融合して形成したものです。チベット医薬文化はチベット族文化の一部分だけではなく、神秘な色彩に満ち、科学的な価値があり、世界に注目されています。チベット族の人々は長期にわたる実践を通して、特徴を持つ医薬をつくり出しました。チベット医薬は今日までにすでに6000年余りの歴史をもっています。

 青海省チベット医薬研究院の多傑(Droje)院長はこれについて「常用するチベット薬に瑪瑙(めのう)、翡翠(ひすい)、金、銀、水銀などの宝石や重金属類など280種類の鉱物が用いられています」と語りました。

 鉱物を薬の成分にするのは容易なことではありません。こうして、チベット薬の調製は非常に不思議に神秘にみちています。たとえば水銀の場合、まず毒を排除し、さびをとってから精錬します。時間が長くかかるそうです。そして、服用者の年齢、つまり、老人、青年、子供、また、疾病の種類によって、調製法が異なります。たとえば、寒水石の場合30以上の精錬方法があるそうです。

 中国チベット医薬文化博物館にはチベット医学の著書 『四部医典』が秘蔵されています。その中の『系列医学掛図』はチベット医学の全ての内容を絵で表現しています。

 元旦尖措(Yontan janco)副館長の話では、これがその他の伝統医学には見られないものです。あわせて80幅の画があります。木の根や幹、枝、葉の形で人体の生理、病理の症状、また、診断の順序について、はっきりと描写しています。これによって、機器を使わなくても、診断の正診率は90%以上に達するということです。

 天文暦学はチベット族の人々の長い暮らしを通じて総括した自然科学で、チベット文化の一部分です。チベット族の生活で広く応用され、農業や牧畜業の生産に重要な役割を果たし、医薬学とも直接的なかかわりがあります。

 元旦尖措副館長は「チベット医薬の理論体系は、気候の変化、五行の運行の法則(辞書では五行:中国古代の世界観で、万物を構成し、天地の間に運行すると考えられた木・火・土・金・水の五つの元素。天では木星・火星・土星・金星・水星として運行し、地では木・火・土・金・水として現れ、人も五行から構成されているという)に従って、疾病の診断、治療、薬材の採集、薬の精錬を行うことです。科学技術が発展している今日でも、これを学び、研究、利用する価値があります」と語りました。

 青海省チベット医学病院の安尓建医師の話によれば、チベット医薬はリュウマチなどの難病の治療にも有効です。チベット薬の浴療法はリュウマチや通風、関節炎などに特に効果的です。国内各地やまた韓国、ロシア、アメリカなどの国から多くの患者が治療に来ており、95%以上はよい効果を上げたということです。

 患者の次池加措(Tsechi Rgyatso)さんは頚稚の骨増殖症にかかってすでに9年になります。神経の圧迫によって心臓にも影響がでています。彼はチベット医薬の治療効果に期待を持っており、「チベット医薬は病気を元から直すので、治療を信頼している」といいました。

 チベット医薬の魅力が向上し、現代科学理念の指導の下、一層活力を注ぎ、発展の場が広がっています。青海バイオ科学技術産業区では、中国チベット医薬文化博物館を主として、多くのチベット医薬企業がたてられ、今後5年間で、生態環境保護に基づき、国内のチベット薬の生産や薬草の栽培、経営を行う重要な基地が建設される計画です。(翻訳:トウエンカ)

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