このほど、中国北部天津市にある北大港湿地自然保護エリアで、越冬のため、飛来してきた東方コウノトリの毒殺事件がありました。13羽は救出されましたが、残りの20羽は助かりませんでした。
長距離を移動する途中で渡り鳥が殺害された事件は今、政府やメディア、ボランティア組織など各界の注目を集めています。今日は、中国の渡り鳥の保護についてその前半をご紹介します。
11月11日、国内メディア数社は、渡り鳥を観察してきたボランティア達が北大港湿地自然保護エリアに飛来してきた東方コウノトリの毒殺事件の後、救助活動を展開していると報道しました。
国家一級保護動物に指定されている東方コウノトリは、アジアにだけ生息する大型の渉禽類で、浅い水辺を歩き回ってえさをとります。現在、国内で生息している東方コウノトリの数は2500羽から3000羽しかいません。東方コウノトリは毎年3月から繁殖期に入るため、主な繁殖地である、中国の東北地域及びロシアの東南部に飛来してきます。その後、9月末から10月初旬までの間に長江の下流及びそれより南の地域に行き、越冬します。
東方コウノトリの毒殺事件について、天津市警察局は「10日以内に容疑者を逮捕する」という通達をだしました。北大港湿地自然保護エリアも5万元の懸賞つきで毒入りのエサをばら撒いた容疑者を探しています。
つい最近の報道によりますと、救出された13羽の東方コウノトリはすでに、南方にむかって飛んでいたということです。毒殺された東方コウノトリはすでに標本となり、天津市自然博物館で展示されています。天津市自然博物館はこのほど、渡り鳥の保護知識を普及するために東方コウノトリの標本の展示エリアを設置すると表明しました。
こう言った事件の他、渡り鳥にとって悪天気が移動中の問題の一つとなっています。中央人民ラジオの報道によりますと、このほど、新疆ウイグル自治区にあるマナス湖の国家湿地公園に飛来した、1000羽あまりの渡り鳥は激しい雪に遭い、体力がなくなったため、この地で冬の生活を送らざるをえなくなったということです。
マナス湖の国家湿地公園で足止めされる渡り鳥の中には、ハクチョウやコサギ、ナベコウなど珍しい鳥がいます。ここで鳥が越冬するのには2つの原因があります。1つは、群れの中にいる幼い鳥は長距離の飛行が困難だということです。もう1つは、この湿地の環境が改善されたため、過ごしやすくなり、一部の渡り鳥はここを越冬地に選んでいます。
現在、管理部門は渡り鳥保護のために密猟者の侵入を防止すると共に、渡り鳥の越冬を確保するために園内に餌を撒くという2つのことに力を入れています。
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