先々週は学生を対象にした中国の特色あるビジネスについてその前半を紹介しました。今回はその後半です。
そのビジネスとは、学校の長期休暇をターゲットにしたもの。例えば海外サマーキャンプです。主な参加層は16歳未満の生徒たちですが、彼らは自らの視野を広げ、英語のレベルを向上させ、更に将来の留学の準備もしています。
ある教育機構の責任者は「今年、海外サマーキャンプの申込者は去年に比べ倍増しました。3月には、すべてのコースが定員に達しました。多くの親は早くも来年の冬休みと夏休みのコースに申し込んでいます」と述べました。
一部の小中学校は外国人学生との交流や海外名門大学、科学技術館の見学などを行っています。海外でこのような活動に参加している学生たちは現地の人の家に泊まり、同年代の友達と交流します。また、海外サマーキャンプでは、海外の大学の教育理念と学習環境を理解できるほか、現地の人々と深く交流もできます。
2週間から4週間にわたる海外サマーキャンプに参加するには、親は同じ時期の海外観光旅行より倍ほどの、約2万元から6万元(日本円でおよそ25万円から75万円)の費用を支払わなければなりません。しかし、このような海外サマーキャンプが多くの親と学生に認められているのは、その品質とサービスがよいからだといわれています。
このほか、長期休みの国内観光も人気になっています。多くの親は、子供を連れて国内の各名所を廻ります。
太原市の市民は「雲南省の大理や麗江など8日間のツアーを選びました。1学期が終わったばかりの子供は、勉強のプレッシャーから解放されしばらく休養するべきだと思っています」と述べました。
旅行会社によりますと、香港や台湾、雲南、桂林などが、最も人気のある行き先だということです。他の時期に比べ、夏休み中の各ツアーの費用は10%から15%高くなっています。夏休みの到来と共に、ツアー料金だけでなく、観光地にあるホテルやレストランなども料金を値上げします。
また、映画業界も6月から9月までの約2ヶ月半の夏休みシーズンを重視しています。今年7月、20本あまりの国内外の映画が各映画館で上映されました。6月28日に封切られた3D作品・「ペインテッドスキンⅡ」の興行収入は5億元(日本円で62億5000万円)に達しています。
ある映画館の職員は「オールナイトの入場率をみると、昨年上映したアメリカのヒット作『カンフー・パンダ』の成績に肩を並べています。7月には、何本かの大型作品の上映を予定しています」と述べました。
経済が発展し豊かになってきた中国。同時に競争が激しくなり学生も経営者も長期休暇はものんびりする時間ではなく、一つのチャンスととらえているようです。(万)
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