★中国に住んでいて、一番良かったなぁと思われることはありますか。それは何ですか？

　自分の考えがいかに、日本という独特な文化に影響されているものかを知ったことです。自分が正しいと思っていたことが、場所が変われば全く異なるということを知った時は、開放感を感じました。これまでの自分は日本で通用するルールであり、世界は違うのだと知ったんですね。海外経験した方がよく言うことですが、これが物事を多角的に考えられるってことにつながると思います。

　★ いくら中国で暮らしても、習慣などの違いで未だに慣れていないことがありますか。それは何ですか。例えばどんなことですか？

　人が多いことですね。これは仕方がないことですけど、人が多いからこそ、皆が規則を守れ物事がスムーズにいくはずなんですが、実際には常識が同じでないので、いろいろな小さなつまりがでますね。列にならばないとか、信号を守らないとか。これは社会的な常識が浸透している日本人にとってはちょっとつらいことですね。

　★ 中国のあちこちへ旅行とか出張へ行ったことがありますが、一番印象に残ったところはどこですか。

　実は2ヶ所あります。吉林省の長白山へ行ったことですね。幻の湖、天池を見れたことはとってもラッキーでした。北京では大自然に触れることが少ないでの、仕事でいった出張でしたが、かなりリフレッシュしました。もうひとつは江西省の旅です。ここで徽派文化と呼ばれる、地域文化があることを知りました。有名なのは建築ですが、彫刻の素晴らしさに驚きました。ぜひ日本の皆さんにも見ていただきたいです。

　★ 北京の話題に戻りましょう。＜吉野さんの北京一番！＞

　① 北京を訪れる日本の方に、一番お勧めの観光スポットは？

　やはり万里の長城へ行っていただきたい。しかも「和諧号」に乗ってもらいたい。エーリンさん知ってます？西の交通の中心、西直門から出ている列車で、これを使うと片道17元（213円）ほどで万里の長城にいけるんです。中はほとんど日本の新幹線のようで快適。車窓から万里の長城を見るのは旅の気分を盛り上げます。おすすめですよ。ちなみに車のチャーターですと、5000円から1万円はかかりますから。これはかなりお徳な方法です。

　② 一番お勧めのショッピングの場所は？

　やはり初心者なら「秀水」市場ですね。ありとあらゆる中国みやげが揃うので、ここでは買う時の値切りを楽しんでください。相手もは英語も日本語も、時にはロシア語もつかって商品をすすめてきますから、なかなか手ごわいですけどね。それと、普通のスーパーにも入ってみてください。お馴染みの商品でも、パッケージの商品名が中国語表記になっていてなかなか雰囲気があります。

　③ 一番お勧めのレストラン？そして、食べ物？

　もちろん北京ダックですね。気候の違いのせいか、日本で食べるより、中国で食べる北京ダックのほうが美味しく感じます。おすすめは大董ですね。ここは北京ダックに砂糖をつけて食べさせてくれます。すっごく美味しいです。それから北京ならではの四合院のレストランです。四合院は庭が真ん中にあって、四方を囲むように部屋をおく住宅ですが、季節がいいならこのお庭で花を眺めながら食事をするのがお勧めです。

　④ 一番お勧めの北京ならではのお土産？

　北京というわけじゃないですが、一番友人に喜ばれたのは真珠でした。北京には真珠市場がありまして、とっても安く手に入ります。ほかにもアクアマリンやルビーの原石といった、天然石がたくさん売っています。日本では手作りアクセサリーが流行っているので。男性のお土産は、タバコの先につける漢方薬です。この薬を先につけると、タバコのいやな匂いが消されます。

　★ 中日間の人的交流がますます盛んになり、吉野さんのように中国に来られて仕事する日本人の方も増えると思います。中国に来たばかりの日本人、もしくはこれから中国に来る予定の日本の方に、中国で生きる「先輩」として、何かアドバイスがありますか。

　そうですね。とにかく体験してみてください。日本にある中国情報と実際の中国とではかなりのずれがあると思いますから。

　★ 一言でいえば、中国はどんな国ですか。

　大きい。言葉で言うのは簡単ですが、実際に体験して、このスケール感を自分のものとするのは島国の日本人にとってはなかなか難しいことだと思います。

　★ 10年後はどこにいて、何をしていると思いますか？

　わからないですね。日本にいたときは将来がわからないことが不安でしたが、今はわからないからこそ楽しいと思えます。きっと笑って生きていると思いますよ。

　これから、チャンスがあれば、また「イキイキ中国」に遊びに来てください。吉野さんのファンの皆さんもぜひ引き続き毎週金曜日放送の「中国の旅」や中国語講座「北京わくわく」にご注目ください！（7月26日オンエア「イキイキ中国」より）