このほど、上海の地下鉄第二公司は中国版ツィッター「マイクロブログ」(Weibo)の呟きが大きな話題となりました。大体の意味は、「地下鉄での痴漢防止対策の前提として、女性の皆さんは余りにも露出の多い服を着ないでください。そんなにセクシーな衣装を着ていたら痴漢に襲われても仕方ないですよ」というような内容です。
この書き込みが沢山の女性乗客の反発を招きました。「どんな服を着るのかは乗客の自由だ。痴漢防止対策は乗客個人の問題ではなく、地下鉄運営会社にも責任がある」という声が高まってます。
残念ながら、中国の地下鉄には「女性専用車両」がない。ラッシューアワーになると、混んでいる地下鉄は本当に乗り心地が悪い。痴漢問題もたびたび発生する。特に夏。<チャイナライフ>、今日はいま、中国で大きな注目を集めている女性のクールなファッションと地下鉄の痴漢問題というホットな話題に迫りたいと思います。
残念ながら、いろいろ調べたが、女性の服装と痴漢問題やセクハラに見舞われる確率との関連性を示す資料やデータを見つからなかった。私から見ると、女性の服装は痴漢やセクハラを許す口実にならない。でも、女性として、自分を守る意識は欠かせない。人の多い場所や逆に人通りの少ないところに行くなら、出来るだけ女性をアピールするような服装は避けたほうがいいと思う。特に深夜の場合。
実は北京でもよく見かける。前から見たらデザインで隠されていますが、後ろから見たら、くっきり下着が丸見えって、痴漢の問題ではなくモラルやマナーの問題だと思う。自分が着たい服を着るのは自由だが、TPOはあるよ。この辺りは日本人は敏感なので、本人が気がついてないくても、友だちや家族、或いは彼氏が注意する。
でも、人のことを注意する場合、言葉使いにも要注意。今回、上海地下鉄第二公司のマイクロブログでの呟きは、もともとは女性乗客に呼びかけるるつもりだったが、余りにも軽薄な口調を使ったため、かえって反感を引き起こした。これが文字でのコミュニケーションの問題でもあるが、表情が見えないから言葉のイメージだけが独り歩きしてしまい、注意が必要。出発点はいいけど、言葉使いがちょっと女性に不快感を与えた。
さて、今回の事件、ネットユーザーの意見は様々。おもしろいことに男性と女性では観点が異なる。
女性の意見:
① 第3者としての注意なら喜んで受け入れられるが、地下鉄運営会社として、進んで痴漢防止対策を採らない限り、女性乗客の服装にあれこれ口を出すなんて、どうも責任逃れの口実にしか聞こえない。
② 露出の多い服を着ているから痴漢に襲われるなんて、女性差別の言論だ。
一方、男性の意見:
① 公共場所なら、その場に相応しい服を着るべきだ。公共の場所で下着が見えるような服を着る女性の皆さんもよく自分のことを反省してほしい。
② 混んでいるバスや地下鉄に乗る場合、隣に余りにもセクシーな服を着ている女性がいたら、それだけで緊張感を覚える。じっとするしかない。ちょっとした動きで痴漢と間違えられるのは怖いから。そんな乗車はとても疲れる。
2人目の男性の意見は、日本人の男性の中にも多い意見みたい。痴漢に間違われてつかまって、無実を訴えるが証明できない、という内容の映画もつくられた。一部の痴漢の人が悪いのに、まわりがそれに振りまわれているというのは悲しい。男性と女性の考え、本当に違うね。セクシーな服を着ているお姉さんがそばにいたら、男性はひそかに大喜びだと思っていたのに。
さらに、大手ポータルサイトがこの問題について、男性ネットユーザー向けのアンケート調査を行った。その結果では、83.7%の男性は女性が公共場所での露出の多い服装に反対しているという。その理由はなんと一種の「逆セクハラ」!
正直にいうと男性にしろ、女性にしろ、他人の裸なんて見たくないです。おじさんのお腹も見たくない!どんな服を着るのかは、もちろんプライバシー、個人の問題ですが、公共場所での服装は社会問題にもなる。
ところで、痴漢防止対策には、女性乗客の服装だけに頼ってはいけない。地下鉄側は防犯カメラの設置を増やし、将来、訴える時や、犯行を確かめる時の証拠になる。また、女性専用車両の設置、特にラッシュアワーと夜間の設置が必要となる。
日本では、2000年の12月、東京の京王線が率先的に深夜時間帯の女性専用車両を導入した。そして翌年3月、京王線は深夜の女性専用列車を運営し始めた。女性からは評判がよく、ただしアンケート時期によって、意見は分かれている。逆に間違えて乗車してしまって、冷や汗をかいた男性の話もある。大部分の人は常識を持った方々ですから、笑い話になるが、問題は、このために列車が混雑することのようだ。
女性車両が出来た時に、男性差別である、列車が却って混雑する、また車両を分けても痴漢は減らないなどの意見があって、本当の痴漢対策は列車の混雑を緩和することなどの意見も出ている。が、結局痴漢する人が減るような対策ではないようだ。反抗したためにかえって逆恨みされたケースもあり、女性はやはり自分でどのように身を守るか常に考えなければならない。
そして、万が一痴漢に襲われたら、はっきり声を出して反抗するのが大事だと言われている。昔の教育では、男性に襲われることは恥ずかしいことで、羞恥心のため訴えない女性が多かった。これがかえって犯行を許している。ラッシュアワーや深夜に地下鉄やバスに乗るとき、出来るだけ男性乗客と一定の距離を置いたほうがいいと思う。
痴漢問題もグローバルな課題になりつつあり、夏に多発。女性の皆さんにとっては、自己保護の意識は欠かせない。襲われたら、恐れずに声を出して反抗すべきだ。一方、社会の法整備や関連措置の実施も重要で、女性専用車両の設置を呼びかける。何といっても、自分を自分で守る。綺麗より安全だ!(7月19日オンエア「イキイキ中国」より)
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