中国初の独自開発による有人深海潜水艇「蛟龍号」は今年7月と8月、東太平洋海域で水深5000メートルの深海における5回のテスト作業を完了しました。その最大深度は5188メートルに達しています。
「蛟龍号」を乗せた母船「向陽紅09」は49日間に渡り、1万海里以上を航行し、8月18日に無錫の埠頭に帰還しました。蛟龍号の研究開発機関である、中国船舶重工グループの第702号研究所職員と、潜水テストに参加した隊員の家族はこの日の早朝、埠頭に集まり、「向陽紅09」が帰って来るのを待っていました。
今回の潜水テストには、第702号研究所の職員10人を含む96人が参加しています。中には13社の研究機関からの研究員もいました。中国潜水業ナンバーワンと呼ばれる葉聡潜水員は、5回の潜水テストにすべて参加しました。
葉聡潜水員は「確かに、深海に行く人は少ないですね~我々は中国人として、自国の深海地域に初めて到着しました。本当に幸せです。長い時間をかけて準備し、10年間の研究を通して3回のテストを行いました。その結果、今回の深度に達し、喜んでいます。目標の達成のために全員で尽力しました」と語りました。
「蛟龍号」が作業を行う海域は祖国の大陸から1万キロ離れています。更に低気圧のために海が荒れるなど、電話で船員たちと連絡をとることは非常に難しいことでした。8歳の余文婷ちゃんは母親と一緒にお父さんを迎えにきました。
余文婷ちゃんは「お父さんが帰ってきて、うれしい。普段は、電話の電波が届かないけど、電波が届くところなら、お父さんと電話で話します。メールをも送るけど、時々届かないの」と話しました。
紺碧の海には様々な中華民族の希望があります。数千メートル以上の海底には、全地球の生物の1割相当の海洋生物がいます。豊富なエネルギー資源もあり、未来のエネルギーの基地と見られています。また、現在、深海は国際海洋研究分野の焦点となっており、将来、各国が資源不足の解決のため、自らの生存と発展を図るため、争いの場所になる可能性も高いと見られています。
水深5000メートルの深海に達した「蛟龍号」は70%以上の海底を探査できますが、その探査範囲を99.8%に拡大するならば、最深深度は7000メートルを突破しなければならないということです。現在、アメリカと日本、フランス、ロシアの4カ国の深海潜水艇はすべて6500メートルに達しています。「蛟龍号」の研究開発者・崔維成氏は今後の目標を紹介してくれました。
崔維成さんは「来年、条件を満たし、南海で一連の科学的考察が完成したなら、次は7000メートルという目標を実現させたいですね」と紹介しました。
| ||||
© China Radio International.CRI. All Rights Reserved. 16A Shijingshan Road, Beijing, China. 100040 |