中国電力企業連合会は17日、現在の電力不足は2004年以来最悪だとしています。インフレや国際エネルギー資源価格の高騰も加わり、電力不足の解消が難しいようです。
国家エネルギー局によると、湖南、江西、浙江省などで電力が不足しており、一部の工場が数日おきに休業するなど、経済活動に影響が出始めています。中国電力企業連合会は「夏には電力不足は拡大する」と警告しました。
4月に入り、山西省、河南省の10省余りの電力の卸価格が引き上げられましたが、さらに中部の湖南省と江西省、および西部の貴州省の3省で電力の卸価格が引き上げられます。火力発電会社が送電会社に電力を販売する価格を、1キロワット時(kwh)当たり0.02元引き上げます。
値上げの対象となるこの三つの省は、干ばつの影響で水位低下による水力発電所の稼働率の低下や、石炭価格上昇に対応できず一部火力発電所が運転を停止していることなどから、電力不足に直面しています。
中国では発電能力の7割強を火力発電が占めています。中東情勢の混乱を受けて、原油や石炭など燃料価格が上昇し、一方、物価を抑えたい政府は電力料金の値上げを抑制しており、収益悪化を懸念する電力会社は稼働率を落とし気味ということです。
一方、中国最大の河川である長江(揚子江)の水位は今年極めて低く、水力発電量が減少、船舶の航行が削減され、農業生産にも支障が出ています。中部一帯では、乾燥した天候が数カ月間続いています。
対策の一つは、広東省深セン市にある原子力発電所嶺澳原発の4号機が来月15日に稼働します。フランスのアレバから技術を導入した加圧水型の原子炉で100万キロワットの発電能力を持っています。中国内で14基目の原発となります。東電の事故を受けて、原発新設の審査と承認をすでに凍結しました。稼働中や建設中のものについては緊急安全検査を実施していました。この4号機は今年の2月25日にテスト運行に入ったものです。(文:ooeie)
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