日本を襲った巨大震災の中日貿易への影響について、先日発売の「瞭望新聞週間」は「震災を乗り越えられる中日貿易」と題した記事を掲載しました。
それによりますと、北京、上海、遼寧、山東、浙江、福建、湖北の一部地域や業界では、農産物の輸出に滞りが見られ、部品メーカーの供給が切迫しています。貿易専門家は、今回の震災は「中日貿易にある程度影響を及ぼし始めており、この傾向は2-3カ月後にさらに顕著となると予想されるが、中・長期的な影響については、それほど深刻化することはない」との見方を示しています。
日本はここ数年も、中国にとって最も重要な貿易相手国のひとつですが、中国貿易全体に占める対日貿易の割合は低下し続けています。統計データによりますと、中国の2010年対日輸出は輸出総額の約8%、日本からの輸入は輸入総額の13%となっています。今回の巨大地震が中日貿易全体に及ぼす影響はそれほど大きくはないというのが専門家の見解です。
ただし、震災発生後、中国貿易が受けた影響は、業界によって異なっています。
対日輸出の代表的製品である農産物の主要輸出企業には、輸送面で問題が生じています。しかし、日本企業の自助能力はかなり強いため、中・長期的な影響は少ない模様です。対日貿易黒字が最も大きい紡績アパレル業も、影響はそれほど大きくありません。2010年織物アパレル輸出額全国2位の江蘇東渡集団は、震災発生後、日本の取引先上位10社すべてと連絡が取れました。うち1社が納期を1週間遅らせてほしいと文書で求めてきましたが、その他9社には地震の影響はありませんでした。
一部の貿易専門家は、中国の対日輸出は今のところ比較的安定していますが、今後も注意すべき点として以下3つの問題点を挙げています。
(1)日本では、引き続き余震と放射能漏れという大きな恐怖が残っており、住民は、生存、仕事、収入状況が悪化し、当面は消費がかなり落ち込むと予想されます。
(2)情報・通信の停滞問題が解決しておらず、どれほど巨大な損失が出たのか、まだ具体的には不透明な段階にあります。
(3)道路や港湾の被災、電力や燃料の供給不足に加え、港湾、空港、高速道路が被災者救済任務を優先していることから、中国製品の輸送や販売に大きな支障を来たしています。
また、中日貿易の構造面での特徴として、日本は中国から大量のエネルギー・資源を輸入し、中国にハイテク・チップや自動車部品などの機電設備を輸出していることから、自動車や電子など中国国内産業にある程度の影響がもたらされています。しかし、現地化が加速しているため、中国が輸入している部品の種類は毎年減少しており、当面不足したとしても、全体的に大きな影響が及ぶ見込みは少ないです。
中・長期的に見た場合、日本の震災復興は、中日両国の貿易協力を促進し、それがまた日本の震災復興の追い風となる一方、中国関連企業の対日輸出の拡大にもつながると期待されるということです。(人民網から)
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