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中国、今後5年に「グリーン経済」を大きく推進

2011-03-30 12:01:55     cri    

 今月上旬に開催された中国の全人代、全国人民代表大会では、今後5年間の経済、社会発展の目標を定めた第12次5ヵ年計画が採択されました。計画には、環境に配慮した「グリーン経済」を大きく推進するという内容が盛り込まれています。

 第12次5カ年計画は、今までよりもグリーン経済の推進を強調しているので、中国で初めての「緑の5カ年計画」とも呼ばれています。そこから、政府がグリーン経済に本気で取り組もうという姿勢が見られます。実は、これに先立って、グリーン経済はすでに様々な形で、中国各地で展開されています。そのうち自動車業界では、電気自動車など新エネルギー車の開発が目立っています。この点について、中国の自動車メーカー「比亜迪(BYD)」の王伝福社長は次のように話しています。

 「中国が直面する課題には、石油の供給問題があります。この2,3年、中国の自動車市場は急成長していて、この勢いでいけば、これから10年あるいは20年のうちに、1世帯に車1台という状況になるでしょう。いま、中国には4億の世帯があって、1世帯に車1台だとすれば4億台。もし、1台の車が年間2トンのガソリンを使うとしたら、中国全体で年間8億トンの石油が必要となります。それほど多くの石油は、海外から輸入するとしても、なかなか無理です。ですから、石油供給の圧力が大きく、それは国の発展にかかわる課題にもなっています」

 こうした状況を受け、中国では、もちろん石油や石炭などの資源の開発は進めていますが、それよりも、風力や太陽エネルギーなど新エネルギーの開発と利用に力を入れているのです。去年、中国の風力発電の設備容量は世界1位になり、また、太陽エネルギーの開発と利用の規模も世界で上位となっています。

 しかし、新エネルギーの開発と利用は、まだまだ分野が広く、高度な技術が必要なものがたくさんあります。さきほど、中国が風力発電の利用で世界一になったとご紹介しましたが、たしかに勢いでみれば、中国はどんどん積極的に取り組んでいるのですが、アメリカやヨーロッパなどに比べて、まだまだ遅れているのが現状です。この点について、中国共産党中央党学校の辛鳴教授は、次のように述べています。

 「中国は今、重工業の段階にあり、工業化はまだ完成していません。その一方で、欧米諸国の工業化はとっくに実現しているから、生産あるいは製造段階にある汚染の問題が緩和、解決され、省エネも良くできています。でも中国は、そういった面でまだまだ努力しなければなりません。それから今、中国では、新エネルギーを使った車、太陽光発電などをどんどん推し進めているのですが、まだテストしている途中だと思います。研究開発から利用、そして完全な産業を形成するまでは、かなり時間が必要ですが、今の段階では、この分野に取り組む企業をどんどん奨励してほしい。つまり、どんどん試して、やっていってもらいたい」

 中国もそうなのですが、世界各国、とくに先進国では、電気自動車向けの充電設備がようやく街中に整備されてきているようです。でも、電気自動車が普及するには、10年後、20年後のことになるかもしれません。ですから、まずは、身近な、出来るところからやっていくことでしょう。それがグリーン経済の第一歩なのではないかと思います。(編集・翻訳:鵬)

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