中国の東南部に位置する無錫は、呉の時代の都です。3000年の歴史を持ち、昔から美しく、豊かな都市として知られる無錫は『江南の名城』とも呼ばれ、また物産が豊富なことから「米と魚の故郷」と謳われています。毎週のこの時間は無錫の様子をお伝えしていますが、今日はこのほど、無錫で行われた呉文化祭の様子についてお話しましょう。
呉は、紀元前585年から473年春秋時代に存在した国で、その領地は現在の長江下流地域の江蘇省南部と浙江省北部にあり、6代王の闔閭(こうりょ)が現在の蘇州に都を置き長江付近を支配し、中国最強の国となり、繁栄しました。しかし隣国の越により滅ぼされた。呉の国の始祖である泰伯を祭る呉文化祭は4月10日から16日にかけて無錫で開催されました。祭では、呉の国の始祖である泰伯を祭る式典や数十隻の美しく飾られた船が京杭大運河でパレードを行い、それに恵山で縁日を行ったり、多くのイベントが行われました。4月15日、美しく飾られた数多くの彩船、色彩の彩に船と書く彩船が運河でパレードを行い、今回呉文化祭のハイライトとなりました。
過去何回も呉文化祭が行われましたが、「移動の絵巻」と呼ばれるパレードカーなどのイベントは、多くの市民に喜ばれていました。
華やかに飾られた様々な形の50隻の船による彩船パレードは三つのコースに分けられ2時間ほど行われ、訪れた人々は運河を移動する美しい彩船の絵巻を楽しむことができました。
これらの美しい彩船は異なるテーマによって設計されたのです。例えば、新区号という彩船はハイテク技術をテーマに、錫山号という彩船は水郷文化を展示するため、船の形が江南地方の伝統建築を基に設計され作られたものです。また、踊り子たちが彩船の上で踊る舞踊は見物客たちに江南地方特有の水郷文化の美を再現しました。
運河彩船パレードは無錫運河公園を出発点とし、江尖大橋、西門橋、西水墩、文化宮、南禅寺、黄埠墩などの名所旧跡を通って運河公園の埠頭にたどり着きます。このコースは運河の悠久な歴史文化を表し、また運河の中の小さな島・黄埠墩と西水墩は無錫の有名な旧跡としても知られています。
無錫園林歴史専門家・沙無垢さんは黄埠墩について次のように紹介しています。「歴代多くの有名人がこの黄埠墩を訪れた。清の時代の康熙帝と乾隆帝、戦国時代のその国の宰相•春申君と南宋の宰相•文天祥も訪れた」
また、西水墩という小さな島にあるお寺について、無錫の民俗学者・呉寿鑫さんは「西水墩にあるお寺は無錫の十大お寺の一つで、明の時代の無錫の県知事・劉五緯氏を祭るために建てられたもので、劉氏が無錫の水利工事の建設に大きな貢献をした」と紹介しました。
呉文化祭開催期間、彩船パレードなどを見物に訪れた人々は20万人ほどに上り、呉文化をアピールする一大イベントとなりました。
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