2月28日、中国国防省は北京で今年度初めての定例記者会見を行いました。日本側が主張するいわゆる中国軍艦による火器管制レーダー照射に対し、中国国防省の耿雁生報道官は「日本側の行為が中日の海上安全に問題をもたらした根源だ。中国側には十分な証拠があり、相応の措置を取る権利がある」と述べました。またアメリカのセキュリティ会社が「中国人民解放軍がサイバー攻撃に関与している」と報告したことについて耿報道官は「中国軍はいかなるハッキング活動も支持したことはななく、サイバー部隊もない」と述べました。今日の中国リポートは中国国防省の定例記者会見の模様をCRI・中国国際放送局記者のリポートでお伝えします。
2月初め、日本の小野寺五典防衛相は「海上自衛隊護衛艦が公海上で中国海軍艦船により火器管制レーダーの照射を受けた」と指摘しました。これに対し中国国防省は強く反論しました。その後日本側は中国側の説明をまったく受け入れず、証拠となるデータの開示を考慮する考えを示しました。しかし自衛隊の情報収集力の漏えいを懸念し、証拠の開示は見送りました。
これに対し耿報道官は「日本の主張は事実に反する」とした上で「真相ははっきりしている。日本側はいわゆる『火器管制レーダーの照射』という問題をでっち上げることで、中国軍のイメージに泥を塗り、さらに地域の情勢を緊迫させ、国際世論を誤った方向に導こうとしている。国際社会は日本の動きを十分に警戒するべきだ」と指摘しました。
安倍晋三首相は28日の午後、衆議院本会議で就任後初の施政方針演説を行いました。安倍首相はその際、いわゆる中国軍艦によるレーダー照射事件に言及し、事件の責任を中国側になすりつけ、事態をエスカレートさせないため、中国側に自制を求めました。
これに対し耿報道官は「中国側は一貫して海上の安全を重視し、事件の発生を望んでいない。しかし、日本の指導者はたびたび挑発的な発言をし、中国脅威論を煽って、軍事的な対立を意識的に引き起こしている。日本側が中国の船や飛行機を近距離で追跡して妨害活動を続けていることが中日の海上安全問題の根源である」と指摘しました。
またアメリカの情報セキュリティ会社・マンディアントがこのほど、報告を発表し、中国人民解放軍の関連組織が一連のサイバー攻撃に関与しているとしました。これに対し耿報道官は「中国軍がサイバー攻撃を仕掛けたという報道は専門性に欠けるうえ、事実とは異なる」と指摘した上で、中国国防省の公式サイトがアメリカからのサイバー攻撃を受けた最新データを発表しました。これによりますと、中国国防省の公式サイトと中国人民解放軍の公式サイトが外国からとみられるハッカー攻撃を受けた数は月平均で14万4000回に達し、そのうち、アメリカからのハッカー攻撃は62.9%を占めていることがわかりました。
耿報道官は「中国軍はいかなるハッキング活動も支持したことはない。現在、中国軍にサイバー部隊はない」と重ねて強調しました。
中国リポート、今日は中国国防省の定例記者会見の模様をお伝えしました。
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