ここ数年、中国と周辺諸国との海洋権益をめぐる争いが中国外交の話題の焦点となっています。中国外務省国境・海洋事務局の欧陽玉靖副局長は20日、中国国際放送局(CRI)のウェブサイト「CRIオンライン」のネット対話番組に出演し、中国の国境と海洋情勢に関するネットユーザーの質問に答えました。
昨年、日本の釣魚島不法購入やフィリピンの軍艦が中国の黄岩島海域で中国漁船の操業を妨害した事件などにより、釣魚島と南海をめぐる問題が再び深刻化しました。また、先月22日、フィリピンは南海紛争を国際法廷に提訴すると発表しました。これに対して、欧陽副局長は「フィリピンの提訴は中国との共通認識に背き、『南海各方面行動宣言』に盛り込まれた"領土や管轄権の争いに直接関係する主権国家が友好的に交渉し、平和的に解決する"という原則に違反している。中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の『南海行動規範』をめぐる交渉ムードをひどく破壊し、交渉のプロセスに新たな障害をもたらした」と指摘しました。
釣魚島や南沙諸島をめぐる争いに対して、1970年代末から80年代にかけて、当時の指導者鄧小平氏は、「争議を棚上げし、共同開発する」と主張していました。しかし、20日の対話番組に参加したネットユーザーには、今の一部の国の行動を見て、この主張が実現できるか疑問を抱いている人がいました。これに対して、欧陽副局長は「『争議を棚上げし、共同開発する』というのは、関係各国の主権と海洋権益に影響しないというのが基本的前提であり、政治面では立場の違いを調整し、経済面では共に利益を得るという臨時的、過渡的な措置だ。この主張は国際法にも適(かな)うもので、世界ではこれを実施したケースも多い」と述べました。
南海の石油・天然ガスの開発について欧陽副局長は、「中国は自主開発と共同開発を共に進めている。一部の国が中国政府の許可を得ずに中国の管轄海域で開発を行うことには断固反対し、対応措置を取ってきた」と話しました。さらに、「南海での共同開発には難しい部分もあるが、大きく成長する力がある。関係各方面が誠意を持って知恵を出せば、きっと良い方法が見つかり、地域の平和、安定と共同の繁栄を推進できる」との考えを示しました。
欧陽副局長はさらに中国が長年の交渉を経て陸上の国境問題を解決してきたことを振り返り、「平和発展の道を歩むという中国の政策は単なる表明に止まらず、実際の行動で現わされている。これに関する経験や原則は今後の国境問題や海上の争いの解決にも活かしていく」と語りました。
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