中国で年に1度開催される全国人民代表大会(全人代)と全国政治協商会議は、中国の人々にとって政治生活における大きな出来事であり、国内外のマスコミにとっては、中国社会の発展の様子やまもなく発表される重大な政策を即時かつ客観的に知るための窓口でもあります。今年の会議では、新たな政府指導者が選出されるだけでなく、中国では、経済のモデルチェンジや政府機構の改革、所得分配制度の改革なども行われているため、今回の会議はさらなる注目を浴びるだろうと見られます。
今年の会議について、イギリスBBCの中国語放送の責任者、李文氏は「BBCが最も関心を持っているのは中国の政府指導者の交代だ。これは、今後の中国を治める全体構造に関わり、またその人選から、中国の今後の発展方向を垣間見ることができる」とみています。
李文氏は、「中国は今、国際社会における影響力が高まっていることから、中国の一挙一動が見守られている。そんな中、今年の会議で行われる政府の人事異動は中国の外交政策にどんな影響を与えるか、更なる注目を浴びるだろう」と述べました。
BBCは中国の環境問題にも関心を持っています。これについて、李文氏は、「特に最近の大気汚染や土壌の問題が注目の的だ。環境汚染は中国自身だけでなく、世界全体に影響を及ぼしてしまう。中国政府の新しい指導部は環境保護の面でどんな行動を取るか、その行動がどのくらい効果を得られるかが、注目の焦点となっている」と話しました。
香港のメディアも環境問題に焦点をあてています。新聞「文匯報」の尹樹広副編集長は「改革開放政策が実施されてこの30年あまりの間に、中国は経済の面で大きな成果を収めてきたが、それに伴う環境汚染が深刻化している。これは中華民族にとって、最も解決を迫られる問題となっている」として、「『文匯報』の報道では、環境保護を強化し、汚染を改善することなどを重点とする」と説明しました。
一方、香港のフェニックステレビは経済問題への関心を示しています。コメンテーターの杜平氏は「どのようにして内需を拡大するか、従来の経済成長方式や輸出への依存をどうやって変えるかがフェニックステレビの報道の重点だ」としています。また、「中国共産党中央委員会が打ち出した8つの規定、例えば会議の数を減らしたり規模を縮小したり、支出を減らして効率を高めたりするといった方針があるが、今回の全人代と政治協商会議で実施されるかどうか、関心を持っている。これは、新しい政府に対するマスコミの見方と直接つながっている。今年の会議は以前と比べ、その形式や内容などにきっと違いが出てくると思う」と話しました。
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