日本の玄葉光一郎外相は15日、日本を訪問中のアメリカのバーンズ国務副長官と会談し、緊迫する中日関係について意見を交換しました。同日夜、玄葉外相は釣魚島問題に関する日本の立場を説明するため、フランス、イギリス、ドイツへの訪問に出発しました。このほか、日米両国は近いうちに沖縄で自衛隊と駐日米軍による合同軍事演習を予定しています。こうした一連の動きは、危機状態に陥っている中日関係にさらに影を落としていると言えます。
アメリカのバーンズ国務副長官との会談で、玄葉外相は「中日間には領土問題は存在しない」と再び主張し、アメリカの理解を求めました。一方で、バーンズ副長官は、今後も日米同盟関係を強め、日本との関係を一層緊密なものにするとの意志を表明しました。バーンズ副長官はまた、森本防衛相とも会談を行いました。
会談の後、玄葉外相はすぐにフランス、イギリス、ドイツへの訪問に出発し、この3カ国の国際的影響力を利用して、日本に有利な国際世論を作り出そうとしています。これだけでなく、日本の外務省は、2013年にブータンや南スーダンなどで新たに5カ所の大使館を増設しますが、中国との競争に備え、海外に向けた宣伝強化が目的だとみられます。また、11月に予定されている日米合同軍事訓練は、初の離島上陸作戦として、1万人が参加するということです。
これまでの中日関係を振り返ると、2005年に日本の政治家の靖国神社参拝に起因するいわゆる「政冷経熱」、つまり両国の政治は冷えているが経済は熱いといわれる時代がありました。しかし、今回の中日関係は、政治と経済がどちらも完全に冷え込んだ状態に陥っています。自動車産業を例にとってみれば、さる8月だけでも、中国市場におけるトヨタ自動車の販売台数は昨年の同じ時期に比べ15.1%減少しているほか、9月はさらに深刻になり、日本の経済は大きな打撃を受けています。このため、経済界をはじめとする日本各界の人々は、釣魚島問題に関する政府の誤った行動に強く不満を示しています。そうした中で、日本政府は国内外から強いプレッシャーを受けているといえます。
アナリストによりますと、難航している中日関係は、短い間に回復できるとは考えられず、今後の両国関係の行方にも大きな影響を及ぼすだろうとみられています。短期間でいえば、野田政権が率いる民主党は現在、国内外の問題の対応に追われ、政権が危うい状態です。そうした中で、釣魚島問題の立場を変えるような行動をとるならば、保守勢力の抵抗と反対を招き、政権の崩壊を及ぼしかねません。そんなわけで、釣魚島問題に関する野田政権の主張は変わらないどころか、「国民的英雄」として一層強硬な態度を取ることが大いに考えられます。一方、長い目でみれば、日本の各既存政党間の争いに加えて、日本維新の会などの新政党が政権獲得を急いでいることから、民主党政権後の日本の各政党の力関係が大きく調整され、中日関係への影響は予想し難くなるとみられています。(閣、大野)
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