主要8カ国首脳会議(G8サミット)が18日と19日の両日、米キャンプデービッドで開かれます。欧州債務危機再燃への懸念の拡大やそれによるギリシャ政局の混迷を背景に開かれるもので、その後NATO(北大西洋条約機構)の首脳会議も予定されているため、注目度の高いサミットとなっています。
今回のサミットの議題について、アメリカ国家安全保障問題担当のトム・ドニロン大統領補佐官は「非常に多い」と話し、18日の晩餐会でG8の首脳らはイラン、朝鮮、ミャンマーとシリア問題について話し合い、19日には世界経済や特にユーロ圏経済を中心に議論することを明らかにしました。また、エネルギーや気候変動、食糧安全及び2014年以降のアフガン情勢などについても議論するということです。
イラン問題についてトム・ドニロン補佐官は「アメリカが主張した制裁措置には成果が見え始めている。G8加盟国のほとんどが制裁実施の主力となり、イラン核問題担当の国連安保理常任理事国5カ国にドイツを加えた6カ国(P5+1)は中国を除いて全員が出席するため、より多くの合意が期待されている。特に今月下旬にイラクで行われるP5+1 とイランの会談でイランにより多くのプレッシャーをかけることも期待されている」と語りました。欧州債務危機の問題で、ユーロ圏諸国の景気回復や雇用促進における努力についてアメリカは支持を表明し、景気刺激と財政支出抑制のバランスを調整し、危機解決や危機拡大防止への対策を見出していくことも希望しているということです。
一方、今回サミットへの欠席を宣言したロシアのプーチン大統領にも注目が集まっています。アメリカメディアによりますと、プーチン大統領はサミットを欠席することでアメリカへの不満を示すものとされています。『ニューヨークタイムズ』紙の報道では、「ロシア大統領選期間中、プーチン氏は反米の言論を発表し、アメリカ国務長官がロシア政局に干渉する行為を非難した」とした上で、アメリカとロシアはミサイル防衛システムの配置問題でも大きな意見の食い違いがあるため、プーチン大統領の欠席は、米ロ間のさまざまな問題解決に影を落とすものとされています。
また、アメリカ国際経済担当のマイケル・フロマン大統領副補佐官は、今回のサミットでエネルギーや気候変動、食糧安全などにおける協力と提携でより大きな成果が上がるだろうと話しました。これに対し、トム・ドニロン補佐官はミャンマー制裁の緩和の面で進展を見せるだろうと予想しました。
さらに、世論の冷静さとは裏腹にオバマ大統領は今回のサミットに期待を寄せているということです。ホワイトハウスによりますと、2014年以降のアフガン情勢も今回の議題の一つだということで、今回のサミットでは、オバマ大統領がアフガン戦争における成果をアピールし、大統領再選に向けての選挙活動で一役買うこと期待しているだろうとされています。(ミン・イヒョウ 吉野)
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