先月8日にフィリピンの軍艦が作業中の中国漁民をだ捕する事件が発生してから1ヶ月経ちました。この事件に対して中国はずっと自制と忍耐の態度を取り、平和的な手段による紛争の解決を主張してきました。しかし、フィリピンはこれを完全無視して、外交交渉を回復するなどといった情報を撒き散らすと同時に、世界中で反中国のデモ行進を策動したりして、事態をさらにエスカレートさせています。
フィリピンはなぜ黄岩島問題で紛争を引き起こしたのでしょうか?
フィリピンが黄岩島問題で紛争を引き起こしたのは、3つの戦略的狙いがあります。1つ目は、フィリピンの領土拡張戦略がどれほど国際社会から認められるかを確かめることです。フィリピンは、200海里排他的経済水域内の島々はみな自国の領土だと主張しています。フィリピンのこの主張を国際海洋裁判所が認め、中国がこれを認めざるを得ない事態になってしまったら、非常に厳重な結果を招きかねません。それは、中国領有の礼楽礁や中業島などはすべてフィリピンの領土になってしまいます。また、その他の国々もその真似をして、排他的経済水域内の島々を自国のものにしてしまいます。こうなれば中国の海岸線から200海里離れた島々はどんどん他国に略奪されてしまうばかりか、合法化されてしまいます。2つ目は、国家主権や領土保全を守る中国の最低ラインを探ることです。また、中国は戦略的好機を守るために領土と引き換えに平和を得ることができるのか。それから、平和な成長を目指している中国は挑発に直面して戦争という手段を訴えるかどうかを確かめることです。3つ目はアメリカとフィリピンの軍事同盟関係を確かめることです。フィリピンとアメリカとは本当に肩を並べて戦う同盟関係なのか、また、どんな無茶なことをしても、アメリカはフィリピンの安全を守ってくれるかどうかを確かめます。
一方、フィリピンが黄岩島問題で紛争を引き起こした狙いは、5つあります。1つ目は、アメリカを後ろ盾として自らの勢いを中国に見せびらかすことです。2つ目は、アメリカのアジア太平洋戦略において先陣を切って、アメリカが使い捨てた兵器をただでもらいたいためです。3つ目は、アキノ3世政権に対する国民の不満と怒りを南海紛争に向かわせること。4つ目は、今後の経済発展を図るために南海の天然ガス資源をどうしても手に入れたいこと。5つ目はASEANでリーダー的存在をアピールするために、中国と対抗できるASEANの一部の国を手に入れたいことです。
黄岩島事件はフィリピン側の挑発によって発生したものです。中国は平和的交渉による紛争の解決を何回も表明してきました。紛争解決の鍵はフィリピン側にあります。中国は、交渉による紛争の解決を図る用意があり、また事態の長期化や武力化に備える準備もできています。現在、フィリピン側にとって3つの選択肢しかありません。
1つ目は、軍艦を撤退させること、これはお互いにとってベストな選択かもしれません。
2つ目は、中国と長期的に対峙し、最後に失敗を喫してしまいます。これはフィリピンにとって悲惨な結末となります。
3つ目は、さらに摩擦と衝突を引き起こすこと。これは、フィリピンにとって最悪の事態となります。
選択肢によって異なる結果となりますが、フィリピン側が考えに考えを重ねて行動に出ることを期待します。
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