このほど、中国は一連の経済データを公表しましたが、景気減速気味の中国経済がハードランディング状態に入ったのかという点が、研究機関やメディアの注目する話題となっています。
これについて、中国現代国際関係研究院世界経済研究所の陳鳳英所長が記者のインタビューに答え、このほど発表されたデータから見て、中国経済は穏やかにソフトランディングに入っていると見ています。
中国の中央銀行である中国人民銀行は12日、5月18日から、預金準備率を0.5%引き下げると発表しました。陳所長は、今回の預金準備率の引き下げは、経済をソフトランディングさせるための手段の一つだと分析しています。陳所長の話です。「0.5ポイント引き下げることによって、銀行に4500億元から5000億元の流動資金が増えることになる。企業にとっては、融資を受けやすくなり、社会の流動資金の増加にはならないため、インフレを引き起こすこともない。このため、預金準備率の引き下げは経済をソフトランディングさせるための手段だ」と話しました。
このほど、米金融大手JPモルガン・チェースのエイドリアン・モワット(Adrian Mowat)アジア・新興市場担当チーフストラテジストは、「中国経済はすでにハードランディング状態に入っている」と述べました。ウォール・ストリート・ジャーナルも先日の紙面で、「4月の中国経済に春は訪れず」、「中国経済、10年来最低水準の成長率」などのタイトルをつけて、中国経済に対する消極的な予測を報道しました。このような見方に対して陳所長は、中国経済の表面に現れたことを一方的に誇張したものだとしています。陳所長は次のように述べています。「経済構造から見ると、地域間格差が縮小し、低炭素のグリーン産業が占める割合が上昇し続け、粗放型の加工貿易が少なくなっている。中国経済は予定された目標である構造転換に向かって進んでいる。このように構造転換しつつ、適度な成長を保てば、最終的にソフトランディングを実現できるだろう」と語りました。
将来の中国経済のビジョンについて、陳所長は、このように述べています。「中国経済は今後徐々に回復していくだろう。今年一年間のGDP成長率は8%から8.5%に達する見込みだ。中国経済は相変わらず世界経済を牽引する力であり、現在、穏やかに調整しているところだ。調整の目的は、第12次五ヶ年計画で定められた経済の構造転換だ。これを実現するためであれば、これまでのGDP成長率を1ポイント犠牲にすることは価値があるものだ」と述べました。
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