中国の梁光烈国防相は10日、アメリカに対する訪問を終えました。訪米期間中、梁国防相はアメリカの重要な軍事施設を見学したほか、アメリカのパネッタ国防長官と会談し、また、抗日戦争時に中国軍隊を支援したアメリカ義勇軍の航空隊――フライングタイガースのメンバーとも会いました。9年ぶりの中国国防相のアメリカ訪問は大きな成果を収め、これは複雑な情勢の下における両国関係および両国軍隊関係の今後の発展にとって、大きな影響を及ぼすと見られています。
2011年の1月に胡錦涛国家主席が訪米し、それまでの積極的、で協力的、かつ全面的な中米関係を相互尊重と互恵共栄のパートナー関係と位置づけました。また今年の2月、習近平国家副主席のアメリカ訪問により、大国間の対抗というこれまでのパターンを打破し、新しい型の大国間関係を築いていくことを明らかにしました。そして今回訪問で梁国防相は、両国の軍隊関係を両国関係の進展に如何に適応させていくかについて、パネッタ国防長官と会談しました。
中米関係はこれまで政治的交渉が頻繁に行われ、経済協力と貿易も日増しに深まってきたことから、今後は軍事上における平等互恵と協力共栄の原則に基づき新しい型の軍事関係を構築してこそ、両国は互いの戦略的懸念を減らし、相互の信頼関係を深めていくことができるのです。
今回の訪問で、中米双方は四つの項目について共通の認識に達しました。それは第一に、健全、かつ安定した両軍関係を発展させること、第二は、国防部門と軍事部門の間のコミュニケーションを行い、対話や交渉によって信頼関係を増進させていくこと、第三は、意見の食い違いや敏感な問題を適切に処理すること、第四は、両国軍隊間の各分野における協力と交流を強化し、共通の利益を拡大することです。また、インターネット上の安全やアデン湾海賊取締りなど非伝統的な分野での協力を拡大していくことでも合意に達しています。このほか、パネッタ国防長官の今年下半期における中国訪問や海賊取締りのためアデン湾における両国軍隊の共同軍事演習の実施などについても協議に達しています。
最近の国際情勢から見れば、アメリカは改めてアジア太平洋地域における影響拡大に力を入れており、特に、安全保障における影響力を強化しようとしています。最近アメリカ軍の西太平洋沿岸、南海とインド洋沿岸における軍事活動は明らかに増えています。中国の梁国防相はアジア・太平洋地域の安全情勢がこのように緊迫化を増している背景の下で、アメリカを訪問したのです。
ところで、アメリカ側が長い間、空中や海上から中国に対し偵察を行い、さらには台湾に武器を売却したりしています。こうした中で、中米関係の発展に影響する問題が適切に処理されなければ、両国軍隊間の関係発展は難しくなります。また、アジア・太平洋地域の一部の国が中米間の相違点を悪用する兆しも現れてきています。これは中米両国の軍事関係だけではなく、両国のパートナー関係の構築にもマイナスとなります。そのため、両国はこうした障害を共に乗り越える必要があります。特に、この面ではアメリカ側が率先して、行動に出なくてはならないのです。
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