アメリカのバイデン副大統領は21日、四川大学で演説し、アメリカが米中間の良性の競争を歓迎する考えを示したうえで、「アメリカはより多くの項目の対中輸出禁止令を解除する」と述べました。
1時間近くの演説では、現在最も注目されている債務問題や、中米間の貿易と知識所有権保護の問題、朝鮮半島の核問題など多くの話題に及んでいます。
バイデン副大統領は当面、米中間の60種類以上の異なるレベルでの対話システムによって、両国の協力がより密接になったことを指摘しています。また、両国は安全や防衛面における交流も行っています。「米中両国はアジア太平洋地区の繁栄と安定の面で重要な役割を果たしている」と強調しました。
両国の競争関係について、「米中両国の政治と経済分野での競争は良性のものである。このような競争によって互いに利益を得ている。正常な競争は企業と国民に活力と競争力をもたらす。そして、公平と透明の原則のもとでの競争は双方に利益をもたらす」と述べました。
演説の中で、バイデン副大統領は2つの改革を行うアメリカの動きを明らかにしました。それはまず、中国国民の渡米ビザの手続きが長時間かかる問題を改善するため、査証制度を見直すこと。さらに、輸出規制を改革し、より多くの対中輸出禁止令を解除することです。
中米貿易について、バイデン副大統領は「去年、アメリカ企業の対中輸出額が巨大で、アメリカで数十万人の雇用を創出した」と述べ、「中米間の経済貿易協力を進めることは、両国と両国民に恩恵をもたらしており、これを両国の人々に意識してほしい」と期待を寄せました。
また、アメリカの信用格下げによるグローバル的な憂慮に関する四川大学の学生の質問に対して、バイデン副大統領は「われわれはほかの全ての人よりこの問題を重視している。アメリカの国民は87%の米ドル資産と69%のアメリカ国債を持っているからだ」と述べ、「中国はたった1%の米ドル資産と8%のアメリカ国債しかもっていない。中国の投資家の利益を保証できなければ、数多くのアメリカの投資家を失望させる。われわれには対応の措置がある」と語りました。
この日、数百名の四川大学の学生がバイデン副大統領の演説を聞きました。1896年に創設された四川大学は中国で歴史のある名門大学の一つです。(Katsu、小野)