李克強副首相は2日に、ボアオ・アジア・フォーラム2012年年次総会の開幕式で基調演説を行いました。李副首相は演説の中で、「アジアの開放と包容」、「中国の改革開放」、「中国のアジアに対する開放の拡大」などの内容を挙げ、アジアと中国の開放の道について3度にわたって述べました。また「開放と協力を強化してこそ、互恵ウィンウィンを実現することができる」という理念を強調しました。
まずはじめに開放に言及したのは、アジア諸国に向け開放と包容という理念を堅持していくよう呼びかけたことです。
今回の年次総会のテーマは「変革する世界の中のアジア 健全で持続可能な発展へ向けて」です。李克強副首相は演説の中で、アジアの健全かつ持続可能な発展を推進するため、5つの意見を提出し、アジア諸国に開放と包容の精神を堅持していくよう呼びかけました。また「アジア経済のこれまでの急速な成長は開放の中で実現した。今後、アジア諸国はいっそうの発展のために開放を堅持しつつ、世界に向けた開放と諸国間の相互開放をも考慮する必要がある。開放的な地域政策を実施し、開放の中で促進し合い、長所を取り入れ短所を補うことはアジアの持続的な発展にとって重要な意義がある」と述べました。
李副首相はまた「アジア諸国は包容的な成長を提唱し、重要な国際と地域問題において意思疎通を保ち、気候変動など世界的な課題に積極的に対応し、世界構造の調整と国際金融体系の改革に参与する。同時に、地域外の国がアジアの発展プロセスに参与し、建設的な役割を果たすことを歓迎する」と述べました。
今回のフォーラムの出席者のうち欧米諸国からの出席が3分の1を占めています。これについて李副首相は「これはアジア諸国が開放しつつあり、より開放がすすむことを反映している」と述べました。
このほか李副首相は「中国が体制メカニズムの障害を打ち破ろうとするならば、改革開放を必要とする」と強調し、2回目の開放に言及しました。
中国が経済社会の全面的な持続的可能な発展をいかに促進していくかについて、李副首相は「世界情勢と国内状況の深刻な変化に直面し、経済発展モデルの転換に不利な体制メカニズムの障害を取り除くためには、改革開放が必要だ」として、「中国の改革はすでに堅塁を攻略する段階に入った。われわれは財政、税務、金融、価格、所得配分、企業などの面の改革を深化し、重点分野と鍵となる段階において新しい進展を遂げる。市場が資源配分における基礎的な役割を発揮し、制度革新と技術革新、管理革新を全面的に推進し、発展の内在の原動力と活力を増強する」と述べました。
李副首相はまた、「中国では内需拡大は開放を前提条件として行われる。中国は内外企業を平等に見る。透明かつ公平に予測できる市場と法的環境を作り、知的所有権保護に取り組む。すべての企業が革新とモデル転換の中で共同発展を求めることを促進する」と述べました。
3つ目の開放はアジアに対する開放の拡大についてです。
アジアの最大輸入市場、多くのアジア経済体の最大規模の貿易パートナー、アジアの重要な投資国として、中国の各分野では交流が盛んに行われています。李副首相は「中国は対アジア開放を対外開放の戦略的な重点に置き、関係国と共に中国・アセアン・東南アジア諸国連合など地域協力メカニズムの建設を推進すると同時に、両国間と多国間の自由貿易エリアの建設を促進する。新興産業など面での協力を切り開くことを期待する」と述べました。
李副首相は最後に、中国の周辺諸国と善隣友好関係を結ぶという政策を改めて強調し、中国の平和発展は断固とした戦略的決定であるとした上で、「変革する世界の中にあり、アジア諸国の国民はチャンスを逃さず、手を携えてアジアの健全かつ持続的な発展を実現することができる」と述べました。
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