3月30日から4月2日にかけて、中国の胡錦涛国家主席がカンボジアを公式訪問します。今年はカンボジアがASEAN(東南アジア諸国連合)の議長国を努めていますが、中国の国際問題専門家は、胡錦涛主席のカンボジア訪問は、中国とASEANとの全面的な協力関係を強化し、中国がASEANにとっては信頼できるパートナーであることをアピールできるとしています。
阮宗澤研究員は、「胡錦涛主席はカンボジアを訪問し、中国はできる限りの支援を提供すると表明するだろう。また、カンボジアとの関係強化を通じて、カンボジアは中国とASEANとの関係を促す上で架け橋の役割を果たしてくれるだろう」と述べました。
1991年に中国とASEANは対話関係を樹立して以来、双方の政治上での信頼関係が強まり、経済協力と貿易は著しい成果を収めました。特に、2010年の1月1日に、中国・ASEAN自由貿易エリアが発足して以来、双方の経済協力と貿易は急速な発展を遂げました。そして2011年、双方の貿易総額は3628億ドルに達し、前年と比べて23.9%増えたことになり、中国はASEANにとって最大の貿易パートナーとなったと同時に、中国にとってASEANは3番目の貿易パートナーとなりました。同時に、中国のASEANとの関係は新しい課題を抱え、試練に直面しています。これについて阮宗澤研究員は、「中国とASEANは関係を発展させると同時に、双方の間に存在する課題にも真剣に対応しなければならない。1つ目は、南海問題である。一部の国は中国との南海を巡る争いをASEAN内部の課題にしようとしていることだ。そして2つ目は、双方の信頼関係にはまだ満足できない段階にあること。ASEANは中国との関係では、経済的な利益を獲得しようとする一方で、安全問題においては、この地域以外の国を引き込み、いわゆるバランスを取ろうとしていることだ」と語りました。
現在のこう着状態を打開するためには、話し合いやコミュニケーションが必要です。カンボジア訪問に出発するに先立って胡錦涛主席は北京で、ASEAN加盟国であるインドネシアのユドヨノ大統領と会談し、戦略的な交渉を強め、実務的協力を拡大することで合意しました。そして一週間後に、胡錦涛主席がASEANの議長国を努めるカンボジアを訪問するのです。ですから、中国とASEANとの関係の更なる推進と地域協力の拡大が、両国指導者の会談における重要な議題となることでしょう。阮宗澤研究員は、胡錦涛主席のカンボジア訪問はASEANにより積極的なシグナルを送ることになるとしています。阮宗澤研究員は、「今回訪問で中国側は、ASEANの一部の国或いは一部勢力の中国の台頭に対する懸念を和らげるため、中国が信頼できるパートナーであることをアピールするだろう。同時に、民間に利益をもたらすための双方の実務的な協力を拡大していくことを表明するだろう」と話しています。(ZHL)
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