2011年3月11日、日本は史上最強の地震と津波に襲われました。中でも宮城県東部の石巻市は被害が最も大きな被災地の一つです。東日本大震災一周年に当たって、中国国際放送局の記者が石巻市を訪れ、大震災後の現地の復興の様子を取材しました。
石巻市は日本の宮城県東部にあり、この県で人口が2番目に多い都市です。石巻市の三陸沖は世界3大漁場の一つと言われ、水産業は現地の経済を支える基幹産業となっていました。ところが、去年3月11日に発生した大地震と津波によって石巻市は大きな被害を受けました。犠牲者の数は宮城県全体の犠牲者の3割近くを占め、土地の浸水面積は市の平地面積の3割となっています。沿岸地域の水産業や製紙業、造船業もダメージを受けました。石巻市が受けた被害について、石巻市企画部事務宣伝課の佐藤義則課長補佐は次のように話しています。「人的被害といえば、目下の統計によると亡くなった犠牲者は3280人だ。当時の人口はおよそ16万3000人だったが、今は15万3000近くで、およそ1万人が流された。沿岸地域の被害については、沿岸部に集中している漁業や水産業、製紙業が甚大な被害を受け、1万人ほどが職を失った」 。
このほか、石巻市もほかの被災地と同じように、震災後の廃棄物処理の問題に悩まされています。廃棄物の量は市の処理能力をはるかに上回っています。これについて、佐藤課長補佐は次のように述べました。「全体的には、今回の地震によって生み出された一般廃棄物の量は、常時の106倍で、およそ606万3000トンに上る。宮城県の廃棄物量が2000万トンだということを考えると、石巻市の600万トンはかなり多い。今は20数ヵ所ある仮置き場に一時的に搬入しているが、処理はほとんど進んでいない。また、廃棄物に含まれる放射能は低いが、受け入れる自治体が少ない。今後は話し合いながら、受け入れてもらいたい」 。
石巻市の復興と再建にはもう一つの課題があります。それは被災地住民の心理ケアです。これについて、佐藤課長補佐は、次のように語りました。「今は17000人が仮設住宅に入っている。公営住宅の建設にはあと3年かかる。このような状況では心のケアが非常に大事で、市政府のほか、ボランティアに被災地住民の心をケアをしてもらっているが、市のほうも人手が足りず、なかなか追いつかないのも現状だ」 。
佐藤課長補佐によりますと、石巻市はすでに、宮城県の計画に基づいて、市の復興と再建の計画を策定しています。この計画によりますと、再建には10年かかるそうです。これについて、佐藤課長補佐は次のように話してくれました。「10年で済むかどうか分からないが、目標は10年だ。10年後、津波が来ても問題の無い町、そして従来の町の姿を再現するのではなく、より良い町を目指そうと進めている」 。
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