ソウルで開かれた第2回核安全サミットが27日午後閉幕しました。サミットで採択された「ソウル・コミュニケ」は、世界の核安全システム、IAEA(国際原子力機関)の役割、核物資、核安全など11の分野にわたって施策と主張を提言しており、核軍縮、核拡散防止と原子力の平和利用は全世界の共通目標だと強調しています。中国の胡錦涛国家主席は27日サミットで、核安全の促進をめぐって4項目の主張を提起し、中国の責任ある態度と立場を表明しました。
国際情勢が深刻で複雑に変化する中、核安全やテロリストによる脅威が世界の関心を集めていることを背景に、核安全サミットという新たな仕組みがスタートしました。今年のテーマは核物質と核施設の安全確保です。サミット開催期間中、各国は、核安全の分野におけるそれぞれの経験について話し合い、核安全に対する認識と関心を高め、核安全に関する共通認識を拡大すると同時に、核安全のレベルアップについて提案し、それぞれの約束を提出しました。今回のサミットで採択された「ソウル・コミュニケ」について、中国国際問題研究所の曲星所長は 、「このコミュニケは、国際社会の核安全保障意識の向上に一役買っている。また、一歩進んで具体的な約束も提出した。前回の『ワシントン・コミュニケ』と比べ、今回のコミュニケは内容がより充実しており、具体的な段取りについてのスケジュールも打ち出されている。また、第1回ワシントン・サミットが開催されたあとの2年間の進展をまとめ、国際核安全の面でより大きな成果を上げている」と評価しました。
今回のサミットで胡錦涛主席は核安全強化で中国の4項目の主張を提起しました。それは、科学的かつ理性的な核安全意識を堅持し、原子力の発展における確信をもつこと。核安全能力の建設を強化し、核安全国家としての責任を負うこと。国際協力と交流を深め、世界の核安全レベルを高めること。治安体制を全面的に見直し、核拡散や核テロによる脅威をなくすことです。この4項目の主張について、曲星所長は 、「第一点は中国の核安全理念を現すもので、科学と理性が安全のキーワードであり、核安全に対するリスクを直視するということだ。第二に、治安体制の全面的な見直しを強調している。国際社会の不安定化によるテロリズムを根本的に解消するには、公正な国際秩序と新たな安全意識を樹立する必要がある。そこで言う公正な国際秩序とは国連憲章に基づくものだ」と話しました。
また、曲星所長は、「中国は、発展途上国の中で最大の原子力利用国だ。中国がいかに原子力を平和利用するか、その経験は、発展途上国にとってよい手本になる。そのため、中国は、核安全モデルセンターの建設を提案した。これまで、10カ国あまり、100人以上の専門技師の養成を援助してきた」と解説しました。
現在、国際社会が直面する核安全の課題は依然として厳しいものがあります。今回のソウル・サミットを起点として、今後は核安全保障に関する政治的約束の履行や、核安全保障システムの健全化、核物質の管理と核原料の違法販売取り締まりを強化するなどの面で、各国の連携が必要となっています。中国は今後もより積極的かつ建設的な役割を果たしていきます。(ミン・イヒョウ)
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