ハンガリーを訪問中の中国の温家宝首相は、25日午後、ブダペストで、ハンガリーのオルバン首相と共に、中国・中東欧諸国経済貿易フォーラムに出席しました。温首相は挨拶で、「中国は、中東欧諸国とそれぞれの優位性で相互補完しあい、互恵協力を深めるパートナーになるよう呼びかける。そして、中東欧諸国と連携して協力の方式を革新し、協力の内容を豊かにするとともに、経済貿易における協力の規模と分野を更に拡大し、その水準を向上させていきたい」との考えを示しました。

　温首相は25日、ハンガリー科学院で「伝統的な友情を深め、共同発展を促進する」と題した挨拶をしました。温首相はその中で、「新中国の成立後、大多数の中東欧国は、直ちに中国と国交を樹立したが、その後数十年経って、双方の各分野における協力は急速に発展してきた。昨年の中国と中東欧諸国の貿易総額は400億ドルに達し、年間平均伸び率は32パーセントにもなっている。双方の投資活動も盛んで、中東欧諸国が中国で設立した企業は2000社近くになった。一方、中国企業の中東欧諸国に対する投資も増加しており、双方の協力分野は絶えず拡大し、金融、観光、法律業務、グリーン経済、インフラ施設などの分野に及んでいる。さらに、協力制度も徐々に整備されてきている」としました。温首相はまた、「中国は、中東欧諸国とそれぞれの優位性を生かして、相互補完や互恵互利を実現する良好なパートナーになりたい」とした上で 、「現在、世界の政治経済の枠組みは、大規模な調整と大規模な改革の時期にあたっている。中国と中東欧諸国の共同利益は拡大し、相互需要も増加しつつあり、企業間の協力意欲も強くなっている。今はまだ、双方の貿易や投資の規模は小さいが、双方の経済補完性は強く、協力の潜在力も大きく、将来の発展性は大きい」と強調しました。

　温首相はまた「中国と中東欧諸国は、共に世界の重要な新興国であり、一部の国が経済的な困難に直面しているとはいえ、中国は中東欧国のこれからの発展性を確信している。中東欧諸国は欧州大陸の中心部に位置し、ヨーロッパとアジアを結ぶ架け橋であり、中国とヨーロッパとの協力において足がかりの役割を果たすことができる」とした上で、「私の今回の中東欧訪問は、友情の旅であり、協力の旅でもある。われわれは中東欧諸国と連携し、協力の方式を革新し、協力の内容を豊かにし、経済貿易協力の規模と分野を拡大し、レベルを上げることを期待している」と述べました。

　最後に温首相は「文化的な分野での交流を全面的に広げ、国民の間、特に、若者世代の相互理解と友情を深めていきたい。また、双方の企業家が今回のフォーラムをきっかけに、連携して中国と中東欧諸国との経済貿易協力の新しい局面を切り開くよう期待する」と述べました。