中国の温家宝首相は21日から22日にかけて日本を訪問し、第4回中日韓首脳会合に出席するほか、東日本大震災の被災地を訪れることになっています。このような特別な時期に行われる温首相の訪問は、中日関係の推進を望む中国側の善意と誠意を示すものだと見られています。
日本問題専門家である清華大学の劉江永教授はこの訪問について、「温首相の訪問は、日本の国民、特に被災地住民に中国の政府と国民からのお見舞いの気持ち伝えると共に、困難に共に対処していく願いを表すものだ」と述べています。
日本訪問中、温首相は菅首相と会談しますが、これは両国首相にとっては今年初めての会談ともなります。これについて劉江永教授は「去年から中日関係はいくらかギクシャクしている。その後双方の共同の努力によって、現在、両国関係は徐々に修復されてきた。両国首相の今回の会談は、両国のハイレベルの交流と誠意のある対話を強め、両国関係の発展を推し進めることができる」と見ています。
2008年、中日韓三国は初の首脳会合を開きました。統計によりますと、去年の三国間の貿易取引総額はすでに国際金融危機前の水準を超えました。日本で巨大地震が発生した後、第4回中日韓首脳会合が予定通り開催されることには特別な意義があると見られています。
自然災害への対策や核安全などの分野での協力の強化に関して討議することが今回会合の主な議題の一つとなっています。中国外交学院の副院長でもある秦亜青教授は「当面、この三ヶ国にとってこの問題を討議することは急務をなっている」と見ています。秦亜青教授は、さらに、「自然災害への対策は国境を越える脅威の中では、きわめて重要な課題だ。日本にとって自然災害とは地震や津波だけではなく、放射能漏れとそれに関わる原子力エネルギーの問題も関連している。これら問題には東アジアにある中日韓だけではなく、全世界も強い関心を寄せている」と語りました。
今回の会合で、温家宝首相は自然災害対策に関する中国政府の主張を紹介しますが、これは中日韓三ヶ国の関係分野での協力の展開にプラスとなるに違いありません。この三ヶ国の今後の協力展開について、劉江永教授は「来年、中国と日本は国交正常化40周年を迎える。中国と韓国も国交樹立20周年を祝う。中日関係、中韓関係の安定維持は、三国にとって現実的な意義がある」とした上で、「中日韓三国は本地域での経済的な協力を強め、人的交流や政治的な信頼関係を推進していくと共に、安全保障分野における交流と協力を強化する必要がある。こうしてこそ、21世紀の二番目の10年の初めに、共通した努力目標を見出すことができる。この意味からみれば、温首相の今回の日本訪問はそのための基盤を作るという意義がある」と述べました。
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