今年は、中国とインドの国交樹立60周年に当たります。それを記念して、中国の温家宝首相は、15日からインドを訪問しています。今回は、温首相の5年ぶりのインド訪問になります。
インドに到着した翌日の16日、温首相は、インドの外交および国際問題のシンクタンクであるインド国際情勢協会でスピーチを行い、中印両国の一層の協力を進める新たな目標を打ち出し、注目を集めました。
温首相は、15日、インドに到着してすぐ、タゴール国際学校を訪れ、「中印友好」の4文字を学校の子どもたちと一緒に朗読しました。その暖かい情景は、人々の脳裏に深い印象を残しました。温首相は、近年のインドが収めた発展の成果を讃えるとともに、中国とインドの友好を振り返り、歴史、文化、経済および社会の各分野でしっかりした交流の基盤を持つ、両国の今後の発展に期待を寄せる考えを表しました。
この発言について、中国現代国際関係研究院の馬加力研究員は次のように話しています。「温首相のスピーチは中国の哲学を現し、誠意のある意義深いものでした。また、未来に向けて、子どもたちの教育を強調し、易しい言葉で両国の友好と発展に寄せる心からの期待を語りました」
温首相はスピーチで、両国関係の微妙な課題および双方で異議のある話題も避けませんでした。逆に、争いの焦点となっている、国境や国境を跨ぐ水資源の利用に関する、中国の立場と態度を率直に伝えました。この点について、南アジア問題の専門家・孫士海氏は、以下のように分析しています。「温首相は、国連安保理事会でインドが一層の役割を果たすことへの期待を伝えた上で、平和な話し合いを通じて国境問題を解決しようとする姿勢を示しました。また、水資源の関連資料を、インドに継続的に提供し、上流と下流の利益を総合的に検討する考えを伝えました。このような率直な意見交換は、大変重要です」
温首相のインド訪問は世界から注目されています。専門家は今回の訪問を通して、双方の懸念が小さくなり、新たな発展の目標が明確にされたとみています。馬加力研究員はさらに次のように述べました。「今回の訪問では、国の指導者の定期的相互訪問の方式を確立し、経済発展の目標を確認しました。また、人的交流では、両国の未来を担う若者の交流を促すことで一致しました。このように各分野、各レベルにおける協力方式の確立は、双方の懸念を解消するのに役立ち、相互信頼関係の強化には大変有利です」
2000年にわたって交流を続けてきたインドと中国、2010年の今日、しっかりした相互理解と信頼の土台を踏まえて、より広く深い協力を求めようとしています。
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