温家宝首相は現地時間23日第65回国連総会で「本当の中国を知ってもらいたい」をテーマとする演説を行いました。温首相は演説の中で中国の国情を説明し、中国の今後の発展に対する外国の憂慮などについて、分かりやすく受け答えました。温首相はありのままの中国を極力世界各国の指導者に伝えました。
温首相は「中国のGDP・国内総生産は世界で第3位となっているものの、一人当たりのGDPは先進国の10分の1に過ぎない。改革開放の政策は中国国民の生活を大きく改善したが、社会保障システムは依然として整っておらず、雇用面での圧力がまだ大きい。中国の社会政治活動が活発になりつつあるが、法制度がまだ健全なものとはいえない」と述べました。
温家宝首相は、また、「中国の近代化が今日までに至ったが、先進的なものと立ち遅れたものが並存し、新しい問題と旧い問題が入り混じり、中国はかつてなかった多くのチャレンジに直面している。中国は社会主義の初期段階にあり、まだ発展途上国である。これは中国の基本的な国情であり、本当の中国の姿である」と述べました。
温家宝首相は、中国の戦略的目標は、今世紀の半ばごろに近代化を基本的に実現させるため、今後数十年間、中国人民は改革開放の政策にしたがって平和な発展の道を歩まなければならないと述べました。温首相はさらに、この道は中国の運命を変え、すべての中国人に福祉をもたらしていることから、この道を堅持し、完全なものにしていかなければならない。どんな理由があってもこの道を変えてはならない。このため、中国は引き続き経済の発展に力を注ぎ、体制の改革を深化し、対外開放を拡大し、科学技術と教育事業を発展させ、中国の優れた文化を広めていかなければならないと語りました。
温首相は、さらに、「われわれは、社会主義市場経済体制を絶えず改善し、弛まなく公有制経済を強化し発展させ、これまでと同じように非公有制経済の発展を励まし、支持し、人々の生活を保障し、改善していくべきだ。また、所得分配制度を改革し、養老、医療、失業などの社会保障システムを整備し、都市部と農村部の格差、地域間の格差、貧困層と富裕層の格差拡大の傾向を正し、すべての公民が改革開放と社会発展の成果を享受させる。経済体制の改革を深めると同時に、政治体制の改革を推し進めていく。また、人権を尊重し、保護し、社会の公平と正義を維持し、人の自由と全面的な発展を実現させていく」と述べました。
演説の最後に、温首相は「中国は平和な発展の道を歩むことを堅持する。平和な発展の精神は、平和な環境をつくり、中国を発展させること、また、中国の発展によって世界の平和を促進することだ」と述べた後、「中国は発展している中で、引き続き人類の共同発展と繁栄を自らの責任としている。中国は今後、引き続き世界各国との共同利益を探し、拡大していく。中国の発展はいかなる人の妨げにならず、いかなる人の脅威にもならない。中国は絶対に『強国になったら、必ず世界を制覇する』という道を歩まない」と強調しました。(担当:任春生)
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