中国の最高権力機関である全人代・全国人民代表大会の年度会議は13日北京で幕を下ろしました。会議では、温家宝首相による政府活動報告が採択され、国際金融危機に対応する中国政府の包括的政策が批准されました。また、金融危機の対応策などについて閉会後の記者会見で温家宝首相は各国記者の質問に答えました。この中で、温首相は危機対応での中国政府の自信を示し、国際協力を積極的に展開していく意向を明らかにしました。
記者会見の冒頭では、温首相は古代詩文のフレーズを使って、金融危機を乗り越える中国政府の自信、それに、世界各国の景気好転への希望を示しました。2時間にわたった記者会見で温首相は合わせて23の質問に丁寧に答えましたが、金融危機の対応策をめぐる質問が7割を占めました。4億元に上る中国政府の投資計画について、温首相は「包括的政策は、4つの内容となっている。政府による大規模な投資、広範囲にわたる産業調整と産業振興、大掛かりな技術的サポート、社会保障の大きなレベルアップである。政府による大規模な投資は、最も直接的で効果のある手段であり、この中には、政府による直接投資額は1億1800万元に上っているほか、投資プロジェクトの実施により誘致された社会投資や民間投資、それに銀行の信用貸付なども含まれている。この1億1800万元は、すべて新規投資である」と説明しました。
国際金融危機を目の前にして、中国政府が依然としてGDPの成長目標を8%に定めたことは注目を浴びています。記者の質問に答え、温首相は「この目標の達成はかなり難しいものだが、頑張って達成したいと思っている」と語りました。
金融危機対応のほか、今後中央政府はダライ・ラマとどう接触していくかも記者たちが関心を寄せる話題です。これについて、温首相は「ダライ・ラマは一般の宗教人士ではなく、政治亡命者である。彼が設立した亡命政府は実は政治と宗教を一体化した違法な政府である。ダライ・ラマは世界各地を回り、一部の政治家を扇動している一方、西側の国にも利用された」と述べました。
また、ダライ・ラマが中国の軍隊をチベットから撤退させ、漢民族の人はチベットから移転すべきだの声明を否認したとの報道について、温首相は「1987年ダライ・ラマがアメリカで発表したチベット平和計画と1988年にフランスで発表した補充意見を調べると、真相が分かると思う。こうした文書には中国の軍隊をチベットから撤退させ、漢民族のチベットでの居住を拒絶し、また、すでに居住した漢民族を強制移転させると書いてある。これを修正しようとするのはいいが、ダライ・ラマはこれを否認することはできない」と反発しました。
また、温首相は「チベットは中国から切り離すことのできない領土であり、チベットの問題は完全に中国の内政問題である。従って、外国の干渉を容認できない」と指摘したあと、ダライ・ラマが分裂活動を放棄しさえすれば、中央政府は彼の代表と交渉する用意があるという原則を改めて強調しました。
このほか、温首相は為替政策や台湾との経済貿易関係、マカオや香港特別行政区発展への支持、それに上海協力機構との協力などの問題に触れました。(翻訳:コオリ・ミン チェック:大澤/金井)
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