中国国務院の温家宝首相が3月5日開かれた第十一期全国人民代表大会第3回会議で政府活動報告を行いました。政府活動報告は「戦略的新興産業を大いに発展させる」ことを重要な内容としています。専門家は、「新興産業は経済パターン転換の大きな突発口であるが、その資金投入が大きく、科学技術に対する要求が高いため、政府はまず一部の地区でテストを行い、市場環境を育てた後、徐徐に全国に広めていくべきだ」としています。

　政府活動報告によりますと、新興産業を発展させることは国家の明日を左右するため、チャンスをつかんで、力を入れなければならないということです。深セン清華大学研究院の馮冠平院長は、「科学技術の核心競争力の向上にしたがって、新興産業は必ず大規模な新しい産業を牽引して、発展していく」と述べ、更に「新興産業は二つの特徴がある。一つはハイテクノロジーを持つこと、もう一つは経済発展を推進できることだ」と述べました。

　新興産業について、政府活動報告では、新エネルギー、新材料、省エネ、生物医薬、情報ネットワークなどが挙げられています。国家発展改革委員会、工業情報化省および財務省などは現在、新興産業の発展を加速させる関係文書を作成中だということです。

　一方、新興産業の大きな潜在力を注目していると同時に、科学技術を実践に生かす能力が低く、生産と研究の分離などの問題が依然として新興産業を困惑させています。馮冠平院長は、「政府は新興産業の科学研究資金、技術、人材などへの投入を拡大すべきだ」と述べています。

　改革開放30年、新興産業の発展によい基礎を作ったが、一部先進国と比べて、一部の分野でまだまだ差が大きい。科学研究資金の投入を増やし、ハイレベルの人材を導入し、生産と科学研究を緊密にさせなければならない。

　馮冠平院長は江蘇省無錫市智能交通網プロジェクトに参加したことがあり、新興産業の発展は資本、科学技術および人材の強力なサポートが必要だということがわかりました。そのため馮冠平院長は、条件のある地域で新興産業プロジェクトのテストを大いに推進するよう呼びかけています。馮冠平院長は、「そうすると、科学技術界と経済界の研究部門が腕を振るうことができ、製品の市場需要も安定的かつ絶えず拡大していくことになるだろう」と述べました。さらに、「最も重要なのは政府はモデルプロジェクトを作るべきだ。テストが成功できれば、その他の地域もコピーできる。これにより、新興産業の発展はよりよい発展環境を得られる」と述べました。

　世界経済がいまだに完全に回復しておらず、国内一部産業の生産能力が過剰している背景の下で、新興産業の発展は大きな意義があります。財務省は資金の拠出を拡大し、新エネルギー車の発展や新エネルギー開発を支持します。2010年の国家予算は、省エネルギーや二酸化炭素排出削減に振り向ける資金は500億元（約6776億円）に達し、前年より200億元（約2710億円）増えました。（翻訳：ooeiei）