温家宝首相はこの5日、全国人民代表大会で行った政府活動報告で農民に関する問題を重点として取り上げました。
農業大国である中国では農民は人口の50%以上を占めています。
農業、農村部、農民という3つの問題は中国社会の進歩と発展において鍵となっており、また、中国の経済発展の上で弱点ともなっていて、特に農民に関する問題は中核的な問題となっています。
農村部に暮らす農民は都市部に食糧、野菜、肉類など食料を安定に供給しています。
また、農村部からの出稼ぎ労働者は建築業、飲食業、サービス業などに従事し、都市部の生活に大きく貢献し、農民は中国経済の高度成長に大きく貢献しています。
ところが、中国では都市部と農村部の間に大きな格差が存在しています。
去年、都市部の住民の一人当たりの収入は1万5000元に達しましたが、農村部の住民はこの3分の1以下のわずか4700元でした。
その上、教育、医療、年金といった農民の利益にかかわる様々な問題は根本的に解決されておらず、世界金融危機の影響もあり、中国の農民の生活はいっそう困難なものとなっています。
これを受け、今週開催された全国政治協商会議と全国人民代表大会で、委員と代表たちは農民に関する問題をめぐり、さまざまな提案をおこなっています。
提案には、「食糧生産農家への補助金拡大」、「農民の収入源の増加」、「農村部医療に向け医師百万人育成」などが含まれています。
中国政府はこれまで、農民の負担を軽減し、収入を増やし、生活を改善し、都市部の住民とともに改革の成果が得られるよう努力してきました。
農業、農村部、農民という3つの問題の解決に、政府は2004年には2626億元、去年は5625億元を拠出し、今年は7161億元と増加しています。
温家宝首相は政府活動報告で「今年、小麦と籾(もみ)の500グラム当たりの最低買付価格を去年と比べ、小麦は0.11元、籾は0.13元引き上げる。農業補助金を去年より200億元増加する。これは食糧生産農家を安心させることになった。また、農民の収入源を増やす。出稼ぎ労働者を含めた農民全体の土地請負経営権を保証し、農民の自主的な起業と増収を支援する。これらの措置は農民の利益を増やすためである」と述べました。
さらに、先月28日、温家宝首相は新華ネットを通じて国民と直接交流した際、「農民にできるだけの利益を与えなければならない」と強調しました。 (ジョウ)
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